【毎日更新】相続税専門税理士ブログ

相続税申告におけるがけ地部分がある土地の評価方法

相続税専門税理士の富山です。

今回は、土地の一部ががけ地になっている土地の相続税評価額の計算方法について、お話します。


相続税専門税理士に任せてスッキリ!
相続税専門税理士が直接対応
事前予約で土日祝日夜間対応可能
明確な料金体系+スピード対応

または はこちらから


がけ地の占める割合とがけ地の向きで補正率が決まる

財産評価基本通達(一部抜粋加工)
20-5 がけ地等を有する宅地の評価
がけ地等で通常の用途に供することができないと認められる部分を有する宅地(次項(「土砂災害特別警戒区域内にある宅地の評価」)の定めにより評価するものを除く。)の価額は、その宅地のうちに存するがけ地等ががけ地等でないとした場合の価額に、その宅地の総地積に対するがけ地部分等通常の用途に供することができないと認められる部分の地積の割合に応じて付表8「がけ地補正率表」に定める補正率を乗じて計算した価額によって評価する。

がけ地等で通常の用途に供することができないと認められる部分を有する宅地については、「がけ地等をがけ地等でないものとして全体を1つの土地として計算した評価額」に、「その全体の面積に占めるがけ地等部分の面積の占める割合とがけ地の方位に応じて定められたがけ地補正率」を乗じて評価額を計算します。

がけ地があるのは山や川の近くだけではない

国税庁HP・質疑応答事例(一部抜粋)
がけ地補正率を適用するがけ地等を有する宅地
【照会要旨】
がけ地補正率を適用して評価するがけ地等を有する宅地とは、どのような宅地をいうのでしょうか。
【回答要旨】
がけ地等を有する宅地とは、平たん部分とがけ地部分等が一体となっている宅地であり、例えば、ヒナ段式に造成された住宅団地に見られるような、擁壁部分(人工擁壁と自然擁壁とを問いません。)を有する宅地です。
このような宅地のがけ部分等は、採光、通風等による平たん宅地部分への効用増に寄与すると認められるものの通常の用途に供することができないため、全体を通常の用途に供することができる宅地に比し減価があると認められますので、がけ地補正率表によるがけ地補正を行うものです。
このように、がけ地補正率が適用されるがけ地等を有する宅地とは、平たん部分とがけ地部分等が一体となっている宅地をいい、平たん部分である宅地とそれ以外の部分(山林、雑種地等)を別の評価単位として評価すべき場合はこれに該当しません。

「がけ(崖)」地というと、山の中や川べりなど、自然に近いエリアが思い浮かぶかもしれませんが、住宅地でも道が坂になっているような場合など、高低差があるエリアの場合には、がけ地補正率を適用できる可能性があります。

想う相続税理士

がけ地補正率と宅地造成費の控除は重複適用できませんので、ご注意を。