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内縁の奥さんが負担した葬式費用は債務控除できる?

相続放棄をしても財産を取得できる?

以前、こちらの記事にも書いたのですが、相続放棄した方でも、葬式費用を負担した場合には、債務控除することができます。

相続税の申告をする前に解決すべき4つの疑問

「債務控除って、プラスの財産からマイナスの財産を引くことでしょ?相続放棄していたら財産を相続できないんだから、プラスの財産がないから、債務控除できないんじゃないの?」とお思いになるかもしれませんが、相続放棄をしても、生命保険金を取得することができるのです。

生命保険金は、遺産分割協議により誰がもらうかを決める本来の相続財産ではなく、保険契約により受取人が確定している「みなし相続財産」(民法上の財産ではないので、遺産分割の対象でもない、でも相続財産みたいなものでしょ、だから相続税を課税しますってこと)です。

ですから、相続放棄をしても関係なく、生命保険金がもらえるのです。

この場合、その生命保険金には相続税が課税される訳ですが、その相続放棄をした受取人が、葬式費用を負担している場合には、その生命保険金から差し引くことができるのです。

相続税法上はダメだけど相続税法基本通達でOK

債務控除できる方は、「相続人と包括受遺者」と相続税法で決められているので、本来は差し引けないのです。

でも、葬式費用は、相続放棄をした方が払おうと思えば、払ってしまえるのです。

その場合、葬式費用は、借入金や未払金などの民法上の債務ではないので、「相続放棄」の効果が及ばないんですね。

払っちゃダメって言えないんです。

遺族なんだから、相続放棄をしたって、葬式費用を負担することはあるよな、それなら債務控除してもいいことにしよう、ということで、相続税法基本通達で特別にOKにしているんです。

ダメって言いづらいので。

相続税法基本通達
(相続を放棄した者等の債務控除)
13-1 相続を放棄した者及び相続権を失った者については、法第13条の規定の適用はないのであるが、その者が現実に被相続人の葬式費用を負担した場合においては、当該負担額は、その者の遺贈によって取得した財産の価額から債務控除しても差し支えないものとする。

相続権がないのは同じだけどダメ

これと似ているようで違うのが、内縁の奥さんが葬式費用を負担した場合です。

内縁の奥さんは、相続放棄の話の前に、相続人ではありません。

それでも、この内縁の奥さんも、生命保険金をもらうことができます。

じゃあ、この内縁の奥さんが葬式費用を負担した場合には、先ほどの相続放棄をした相続人と同じように、プラスの財産である生命保険金から、葬式費用を差し引けるかと言うと、それはできないのです。

「相続放棄をした方」と「元々相続権がない方」は全く違いますからね。

そこまでは税法で手当てされていないのです。

結果的に相続権がない方であっても、葬式費用の負担の取扱いは全く異なりますので、ご注意を。