毎日更新ブログ(前倒し更新有)

相続財産が相続税の非課税枠を超えてもビビるな!

相続税専門税理士の富山です。

今回は、相続税が計算されても、相続税がかからない場合がある、ということについて、お話します。

まずは相続税が出るかどうかの確認を

相続があった場合、まず確認しなければならないのは、相続税が出るかどうかです。

相続税が出るのであれば、10ヶ月以内に相続税の申告をしなければなりません。

そして、その申告における納税額を安くするためには、相続税の申告までに、遺産分けを決める必要があります(遺産分けが決まっていないと適用が受けられない特例があります)。

相続税が出ないのであれば、10ヶ月にこだわる必要はありません。

先の話ですが、令和6年4月から相続登記が義務化され、相続で不動産を取得した場合、その所有権の取得を知った日から3年以内に相続登記の申請をしなければならないことになります。

想う相続税理士秘書

想う相続税理士

相続財産の中にアパートなどの不動産物件がある場合、遺産分けが決まらないと、その不動産収入(所得)は、各法定相続人がその法定相続分相当額を取得したモノとして確定申告する必要があります。

つまり、所得があっても非課税になる場合などを除き、相続人全員が確定申告の対象となりますので、ご注意を。

財産の金額と法定相続人の数をチェック

まずは、財産の金額がどれくらいあるか把握しましょう。

そして、法定相続人が何人かを確認しましょう。

法定相続人の人数を調べるのは、相続税の非課税枠(「遺産に係る基礎控除額」)を計算するためです。

この非課税枠は、
3,000万円+(600万円×法定相続人の数)
で計算されます。

財産が多くても、相続税の非課税枠以下であれば、相続税はかかりません。

逆に、財産が少なくても、相続税の非課税枠を超えれば、相続税がかかるかもしれません。

非課税枠を超えても相続税がかからない場合がある

「相続税がかかるかもしれません」というのは、相続税の非課税枠を超えても、相続税がかからない可能性があるからです。

所得税の確定申告で住宅ローン控除の適用を受けている方は、所得税が計算されるけれども、住宅ローン控除により、それが減額されたり、場合によってはゼロになるワケです。

相続税も同様です。

いったん相続税が計算されても、その後に、所得税の住宅ローン控除のようなモノによってゼロになる場合があります。

その主なもの(「税額控除」と言います)をご紹介します。

配偶者の税額軽減

配偶者の方は、亡くなった方の財産形成の最大の貢献者であるため、配偶者が相続で取得した財産のうち、

  1. 1億6,000万円
  2. 取得した財産のうち配偶者の法定相続分(例えば子がいる場合には1/2)相当額
のいずれか多い金額まで、相続税が非課税となります。

未成年者控除・障害者控除

相続人の中に未成年者の方や障害者の方がいらっしゃる場合には、未成年者控除・障害者控除を適用することができます。

原則として、その未成年者の方や障害者の方に相続税が計算された場合に、その相続税から控除するのですが、ゼロになるまで控除しても、まだ控除できる場合(控除枠が余っている場合)には、その方の扶養義務者の相続税から控除することができます。

扶養義務者からの控除の適用を受けるためには、その未成年者の方や障害者の方が相続で財産を取得していることが大前提となります。

未成年者の方や障害者の方が財産を取得していなければ、扶養義務者からの控除は適用できませんので、ご注意を。

想う相続税理士秘書

相次相続控除

今回亡くなった方がBさん、その相続人がCさんだとします。

Bさんが亡くなる前10年以内に、Aさんから相続で財産を取得している場合、今回のBさんの相続税で相続税が課税されることになると、10年間に同じ財産に対して「Aさん→Bさんの相続」「Bさん→Cさんの相続」と2回も相続税が課税されることになってしまうため、BさんがAさんの相続の際に課税された相続税の一部を、今回の相続税の計算において控除することができます。

贈与税額控除

相続で財産を取得した方が、その亡くなった方から相続開始前3年以内に贈与により取得した財産がある場合には、その贈与財産も相続税の課税対象となります。

ただし、その贈与の時に贈与税が課税されていると、1つの財産に「贈与税」「相続税」が二重に課税されることになってしまうため、今回の相続税を計算する際、その贈与税を控除することができます(相続税の計算の中で贈与税を返してもらう感じです)。

想う相続税理士

各種の税額控除の要件に該当しないか、ご確認を。