【毎日更新】相続税専門税理士ブログ

固定資産税評価額×1.14で路線価地域の土地を評価して相続税の試算をする理由

相続税専門税理士の富山です。

今回は、路線価地域に所在する土地の簡易評価について、お話します。


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土地は路線価方式か倍率方式で評価する

国税庁HP(一部抜粋)
路線価が定められている地域(路線価地域)にある土地については路線価方式により評価し、その他の地域(倍率地域)にある土地については倍率方式により評価します。

相続財産の中に土地がある場合、原則として、路線価方式か倍率方式により評価します。

路線価方式の場合には、その評価しようとする土地が接する路線の「路線価」をベースに評価額を計算します。

路線価が分からなかったらどうする?

路線価は、国税庁HPで調べることができます。

路線価は毎年変わるのですが、令和7年に亡くなった方の相続の場合、令和7年分の路線価を基に評価します。

この路線価は、毎年7月1日頃に発表されます。

ということは、例えば令和7年4月に亡くなった方が路線価地域に所在する土地をお持ちだった場合、その土地に接する路線の路線価は現時点(令和7年6月1日)では発表されていないため、評価することは不可能、ということになります。

それでも、「相続税がどれくらいかかるか今すぐ知りたい。その土地の評価額を知りたい」という場合もあるでしょう。

そのような場合には、あくまで概算での評価ということで、前年分(令和6年分)の路線価をベースに計算する(さらに前々年の路線価等も確認して、路線価が上昇局面にありそうなら、それも加味して計算等する)、ということもできるでしょう。

では、その土地が区画整理地内に所在していて個別評価が必要であり(路線価がないので税務署に路線価を設定してもらう必要がある)、かつ、前年分の路線価もない、というような場合、どうすればいいのでしょうか?

固定資産税評価額×1.14で概算評価する

1㎡当たりの固定資産税評価額から路線価(路線価は1㎡当たりの金額です)を求めます。

国税庁HP(一部抜粋)
路線価等は、1月1日を評価時点として、1年間の地価変動などを考慮し、地価公示価格等を基にした価格の80%程度を目途に定めています。

総務省HP(一部抜粋)
宅地については、地価公示価格等の7割を目途に評価

上記によれば、路線価をXとすると、
時価(/㎡)×80%=路線価(/㎡)
です。
つまり、
時価=路線価÷80%
です。

そして、
時価×70%(/㎡)=固定資産税評価額(/㎡)
です。
つまり、
時価=固定資産税評価額÷70%
です。

ということは、
路線価÷80%=固定資産税評価額÷70%
です。
つまり、
路線価(/㎡)=固定資産税評価額÷70%×80%
=固定資産税評価額×10/7×8/10
=固定資産税評価額×8/7
=固定資産税評価額×1.1428・・・
≒固定資産税評価額×1.14(/㎡)

ということになります。

あくまでも、理論上の話です。

実際にはあまりアテにならないかも

最近、個別評価の回答に時間がかかりそうだったため、上記の×1.14で試算をしてお客様にご提示し、その後、実際の回答に基づく評価と比較してみました。

そうすると、試算でご提示した1.14方式だと正式な評価額の60%の評価にしかなっていなかった土地や(試算が安過ぎた!)、逆に105%評価だった土地もありました(試算が高かった!でも、まあいい線)。

固定資産税評価額は、あくまでも固定資産税を課税(賦課)するための金額ですので、それを元に計算しても、税務署が計算してくる金額(路線価)とは当然大きくズレる可能性がありますので、ご注意を。

想う相続税理士

ちなみに、特定路線価の設定を申請した土地もあったのですが、そっちは1.14方式だと特定路線価ベースに比べて82%の評価にしかなっていませんでした(試算が安過ぎた!)。