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駐車場に小規模宅地等の特例は適用できる?

相続税専門税理士の富山です。

今回は、駐車場の敷地になっている土地に対する小規模宅地等の特例の適用について、お話します。


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小規模宅地等の特例の意外と忘れやすい要件とは?

相続税の計算においては、一定の居住用または事業用の宅地等について、その評価額を80%または50%減額して申告することができる「小規模宅地等の特例」という制度があります。

小規模宅地等の特例を適用するためには、様々な要件を満たす必要があるのですが、「どういった『物』の敷地に使われているか(どういった『物』が上にあるか)」という「土地上の物体要件」的なモノがあります。

租税特別措置法(一部抜粋)
第69条の4 小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例
財務省令で定める建物又は構築物の敷地の用に供されているもの

租税特別措置法施行規則(一部抜粋)
第23条の2 小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例
法第69条の4第1項に規定する財務省令で定める建物又は構築物は、次に掲げる建物又は構築物以外の建物又は構築物とする。
一 温室その他の建物で、その敷地が耕作(農地法第43条第1項の規定により耕作に該当するものとみなされる農作物の栽培を含む。次号において同じ。)の用に供されるもの
二 暗渠(きよ)その他の構築物で、その敷地が耕作の用又は耕作若しくは養畜のための採草若しくは家畜の放牧の用に供されるもの

つまり、更地ではダメ、ということです。

通常は、亡くなった方等のご自宅の「建物」やアパートなどの賃貸物件の「建物」、事務所や工場などの「建物」について適用を受けることが多いのですが、上記にあるとおり、「構築物」でもOKです。

駐車場は構築物の敷地になる?

「構築物」には、駐車場の舗装路面としての「アスファルト」や、その敷地を囲むための外周フェンスが含まれます。

つまり、その駐車場が、アスファルトやフェンスなどの構築物の敷地の用に供されている場合には、上記の「土地上の物体要件」を満たします。

砂利敷の駐車場に対する小規模宅地等の特例は特に注意

ただし、一般的には、その構築物の「堅牢性」も考慮する必要があるものと思われます。

「土地上の物体」「ただ置いてある」という状態に近い(「土地に対する付着性が弱い」)と、「構築物の敷地の用に供されている」と言えるのか、という疑義が生じる恐れがあります。

極端な例を挙げれば、枯れ木を紐で縛って作ったフェンスは、構築物と言えるでしょうか?

また、特に注意すべきなのは、砂利敷の駐車場です。

耐用年数の適用等に関する取扱通達(一部抜粋)
2-3-13 砂利道
表面に砂利、砕石等を敷設した砂利道又は砂利路面については、別表第1の「構築物」の「舗装道路及び舗装路面」に掲げる「石敷のもの」の耐用年数を適用する。

上記にあるとおり(相続税に関する通達ではありませんが)、砂利も構築物に該当するため、砂利敷の駐車場も小規模宅地等の特例の適用を受けられる可能性がありますが、その砂利の状態(構築物と言えるか)を確認・検討する必要があるモノと思われます。

想う相続税理士

小規模宅地等の特例は、「土地上の物体要件」にも、ご注意を。