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相続税の「配偶者の税額軽減」の趣旨を深読みするとどうなる?

想う相続税理士、富山です。

今回は、相続税の計算における「配偶者の税額軽減」について、お話します。

配偶者は財産形成の最大の貢献者

相続税の計算においては、「配偶者の税額軽減」という特例があります。

配偶者が取得した相続財産については、

  1. 1億6,000万円
  2. 配偶者の法定相続税相当額(相続人が配偶者と子供の場合には1/2)

のいずれか多い金額までは、相続税が非課税となります。

これは、配偶者の財産形成に対する貢献度合いを考慮したものです(「内助の功」なんて言葉もありますよね)。

税務署は連続で相続が起こることも想定している

夫婦は年齢が近いのが一般的です(最近は一般的ではないかもしれませんが)。

そうすると、例えば夫が亡くなった場合、単純に年齢的なことを考えると、近い将来において妻が亡くなる可能性は高い、と考えられます(例外は結構あると思いますが)。

そうなると、夫婦間で相続した場合、同じ財産に短期間で二度、相続税を課税することになります。

相続税においては、そのような重たくなる課税を軽減する考えがあり、10年以内に相続が相次いだ場合には、その二度目の相続の際、一度目の相続からの年数の経過の度合いに応じて、相続税を軽減させる特例があります(「相次相続控除」と言います)。

この特例とは別に、配偶者が取得した財産については、その財産の形成に対する、夫婦としての協力・貢献度などを考慮して、つまり、亡くなった方の財産だけど、ある意味、部分的には配偶者のモノ(配偶者のおかげであるモノもあるんじゃないの?)という考え方から、このような大盤振舞いの特例になっているワケです、

配偶者の税額軽減の意味合いを考えると・・・

亡くなった方の財産の形成に配偶者が大きく貢献しているだから、その財産を配偶者が相続により自分のモノにする場合には、ある意味、自分のモノだったモノを、自分のモノにするんだから、そこには相続税をかけないよ、的な考え方があるワケです。

「配偶者の税額軽減」の趣旨を意訳すると、そうなるワケです。

ということは、逆に言うと、配偶者が相続する分については大盤振舞いの特例を用意しているんだから、ちゃんと申告してよね!ということなんです。

つまり、配偶者の名義になっている預貯金なんかの中に、亡くなった方が稼いだ部分があるんだったら、それはちゃんと相続財産として申告してよね!ということなんです。

例えば、夫が稼いだお金を生活費などに回すため、定期的に妻の口座に入れていたとします。

妻が生活費などに使う以上に、夫の口座から妻の口座に入金していたら、妻の口座にはどんどんお金が蓄積されます。

妻の家計のやりくりが上手であれば、さらにどんどん蓄積されるでしょう。

まさに妻の貢献度合いによって蓄積されます。

でもこのお金は、誰のモノかといえば、夫のお金です。

夫のお金は自動的に妻のお金になるワケではありません。

夫婦は一心同体なんだから、その間でいくらでもお金を動かしていい、というワケではありません。

つまり、その妻の口座に蓄積されたお金は、夫の相続財産になります。

でも、妻の貢献度合いは認めていますよ、だから、それを相続税の申告できちんと計上して、相続するのであれば、非課税にしますよ、ということなんです。

想う相続税理士

財産を隠した、と認められると、この特例が使えなくなりますので、ご注意を。

(注) この制度の対象となる財産には、隠蔽又は仮装されていた財産は含まれません。

参考 No.4158 配偶者の税額の軽減国税庁