【毎日更新】相続税専門税理士ブログ

側方路線影響加算なのに二方路線影響加算率を適用する場合の評価上の注意点

相続税専門税理士の富山です。

今回は、土地の角が路線に接していない土地の評価方法について、お話します。


相続税専門税理士に任せてスッキリ!
相続税専門税理士が直接対応
事前予約で土日祝日夜間対応可能
明確な料金体系+スピード対応

または はこちらから


角地なのに角が路線に接していない?

「角地」とは、交差点やT字路により交差、または、接続している2本の道路に接している土地、つまり、ザックリ言うと、「道の角にある土地」です。

角地は、道から入りやすいですから(少なくとも二方向から入れます)、利便性が高い(土地の価値も高い)ですよね。

上図のB土地も、「交差点やT字路により交差、または、接続している2本の道路に接している土地」であることに間違いありませんが、道の角にはありません。

道の角にA土地があるため、二方向からは入れますが、ホントの「道の角にある土地」ほどの価値はありません。

二方路線影響加算率を適用して側方路線影響加算をする

国税庁HP・質疑応答事例(一部抜粋加工)
2の路線に接する宅地の評価
【照会要旨】
図(↑上記の図)のように2の路線に接する宅地Bの価額を評価する場合にも、角地に該当するものとして側方路線影響加算率を適用して評価するのでしょうか。
【回答要旨】
図のAの部分の面積が大きく、現実に角地としての効用を有しない場合には、側方路線影響加算率に代えて二方路線影響加算率を適用して評価します。

正面路線が路線価「400D」の方だとすると、その400(40万円)が評価のベースとなるものの、路線価「350D」の路線にも接しているため、その350(35万円)も加味(側方路線影響加算)します。

普通住宅地区の側方路線影響加算率は0.03なのですが、上図のような場合には、正面路線の裏側、つまり、裏面路線がある場合に適用する、二方路線影響加算率(普通住宅地区は0.02)を適用して計算します。

二方路線影響加算率を使うけど何路線かというと側方路線

路線価「350D」の路線は、実際には正面路線の裏側にある路線(裏面路線)ではありません。

したがって、路線価地域の土地を評価する場合に使用する「土地及び土地の上に存する権利の評価明細書」の記入においては、「路線価・側方」に350,000円を記入します。

側方路線影響加算の計算においては、「側方路線価」350,000円に、「二方路線影響加算率」0.02を適用します。

「A土地+B土地」△「A土地」でやると評価が下がる場合がある

正面路線価は40万円、側方路線価は35万円で(二方路線影響加算0.02を適用して)評価する、それで終わり、それでもOKです(そのような評価方法を提示している専門書もあります)。

ただし、正面路線価を、

  1. 「A土地+B土地」を1つの土地として評価する
  2. ①の評価額からA土地の評価額を控除する
  3. ②により残りはB土地の評価額になる
  4. ③をB土地の地積で割って、B土地の1㎡当たりの評価額を計算して、それを正面路線価として使用する
という方法で計算することができます。

上記の質疑応答事例では、そのように計算しています。

不整形地補正率適用前の、「A土地+B土地」の評価額の単価(1㎡当たりの金額)よりも、「A土地」の評価額の単価(1㎡当たりの金額)の方が高い場合には、単純に正面路線価を40万円ベースで計算するよりも、評価額が安くなります。

想う相続税理士

上図の場合、側方路線影響加算を計算する場合についても、「A+B」「A」でやると評価が下がります。