相続税専門税理士の富山です。
今回は、市街化調整区域以外の都市計画区域で、市街地的形態を形成する地域に所在する異なる地目の土地を、「1つの土地」として評価するパターンについて、お話します。
杓子定規な評価ではなく合理的な評価が必要
「農地と山林は全く別の種類の土地なんだから、別々に評価するのが当たり前」と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。
財産評価基本通達(一部抜粋加工)
7 土地の評価上の区分
土地の価額は、次に掲げる地目の別に評価する。ただし、一体として利用されている一団の土地が2以上の地目からなる場合には、その一団の土地は、そのうちの主たる地目からなるものとして、その一団の土地ごとに評価するものとする。
なお、市街化調整区域以外の都市計画区域で市街地的形態を形成する地域において、40《市街地農地の評価》の本文の定めにより評価する市街地農地、49《市街地山林の評価》の本文の定めにより評価する市街地山林、58-3《市街地原野の評価》の本文の定めにより評価する市街地原野又は82《雑種地の評価》の本文の定めにより評価する宅地と状況が類似する雑種地のいずれか2以上の地目の土地が隣接しており、その形状、地積の大小、位置等からみてこれらを一団として評価することが合理的と認められる場合には、その一団の土地ごとに評価するものとする。
宅地比準方式で評価する同じカテゴリーの土地
宅地化が進展している地域に所在する土地は、宅地ではなくても、「宅地ベース」で評価します(「宅地比準方式」)。
「市街地農地」「市街地山林」「市街地原野」「宅地と状況が類似する雑種地」が隣接している場合、その規模・形状・位置関係等から、異なる地目でも一団の土地として見られる(一団の土地として見れば価値があると判断される)場合があります。
そのようなケースでは、その隣接した土地を「一団の土地」として評価することが合理的と認められる場合には、その「一団の土地」を1つの土地として評価します。
土地としての効用を発揮できるかどうか
地目別に土地を分けると、土地が小さ過ぎたり、形が悪かったり、道路に面していなかったりして、土地の効用が発揮できない、というようなケースがあります。
上記の図の
②:山林
③:雑種地・農地。山林
④:山林
したがって、①はA+B+Cで評価、②③④はそれぞれ全体で評価します。
想う相続税理士