【毎日更新】相続税専門税理士ブログ

子ども名義の預金は贈与?名義預金?相続税の税務調査で否認されないための判断ポイント

相続税専門税理士の富山です。

今回は、子どもの名義に変えた預金が「生前贈与」ではなく「名義預金」と判断されて相続税の対象になってしまう理由と、そうならないための留意点について、お話します。


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子ども名義の通帳は「安全」ではない

ホームズ、相談者はこう言っている。

「子ども名義の通帳があるが、相続税の申告には関係ないはずだ」と。

その言葉ほど危ういものはないよ、ワトスン。
相続税の世界では、「名義」は入口にすぎない。
問題は、その預金を実際に「支配」していた人物が誰か、だ。

「支配」というと?
通帳や印鑑を誰が保管し、入金や引き出しを誰が決め、誰が自由に動かせる状態だったか、ということだ。
口座名義が子どもでも、親が自分の財布の延長として扱っていれば、それは「名義預金」と疑われる。

つまり、形式より実態、というわけだね。
その通り。
相続税の税務調査は、通帳に書かれた名前ではなく、「実質の持ち主」を確認しに来る。

贈与は「振り込んだ」だけでは完成しない

だがホームズ、親が子どもの口座に振り込んだのなら、それは贈与ではないのか?
振り込んだだけでは、まだ半分だよ。
贈与には「あげる意思」「もらう意思」が必要だ。
つまり、「あげる・もらう」の合意が成立することが重要なのだ。

合意は、契約書があれば証明できるのでは?
契約書は有力な道具だが、万能ではない。
親が一方的に書面を作り、子どもが内容を知らないまま、という状況もあり得る。
その上で通帳も親が保管し、出し入れも親がしているなら、「子どもが受け取った」とは言えないだろ?

では、贈与税の申告をして納税していれば安心なのか?
申告や納税は重要な要素だ。
だが、それだけで「実態が贈与」になるとは限らない。
税務が見たいのは、子どもがそのお金を自分のものとして認識し、意思をもって管理していたか、という点だ。

なるほど。

申告の有無より、合意と管理の積み重ねが問われるんだね。

そういうことだ。

名義預金と疑われないための「観察ポイント」

ホームズ、具体的に、どこを見れば名義預金の疑いが強いと分かる?
観察ポイントはシンプルだ。
第一に、通帳・キャッシュカード・届出印を誰が持っているか。
第二に、入金の指示や資金の出どころが誰か。
第三に、引き出しや振替を誰が実行しているか。
第四に、子どもが口座の存在と残高を把握し、使い道を自分で決めているか。

これらが親側に寄っているほど、「名義だけ借りた口座」と見られやすい、ということか。
その通り。
だから、贈与として説明しやすくするなら、逆方向へ整える必要がある。

逆方向?
贈与の都度、子どもに知らせ、受け取る意思を確認できる形にする。
通帳等の管理を子ども側に寄せ、子どもが自分の判断で運用や支払いに使える状態を作る。
書面を作るなら、親だけで完結させず、子どもが理解して関与した痕跡を残す。

相続が近づいてから整えるのは、危ないのかな。
相続直前の「帳尻合わせ」ほど、説明が難しくなりやすい。
それに、生前贈与は相続税の計算に影響する制度が絡むこともある。
思いつきで動かすのではなく、資産全体を見て設計するのが合理的だ。

想う相続税理士

名義預金か贈与かを分けるのは、口座名義ではなく「合意」「管理実態」です。

通帳・印鑑・入出金の主導権が誰にあるかで結論が変わりやすく、相続直前の「帳尻合わせ」ほど説明が難しくなります。

気になる口座がある場合は、早めに棚卸しをして、証拠の残し方まで含めて整備することが、相続税のリスク回避につながります。