【毎日更新】相続税専門税理士ブログ

外国人の方が亡くなった場合に日本人の配偶者は法定相続人になる?未分割の申告にも注意

相続税専門税理士の富山です。

今回は、被相続人が外国人の場合に、日本人の配偶者が相続税法上の法定相続人として取り扱われるのか、そして未分割のまま申告期限を迎えたときに相続分の「基準」が変わり得る点について、お話します。


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「配偶者なのに証明が不安」になりやすい国際相続

外国人の方が亡くなった場合、まず現場で起きやすい混乱が「配偶者関係の証明」です。

たとえば、婚姻届の記載が日本人配偶者側の戸籍にはあるのに、相手国の身分登録には婚姻の記載が見当たらない、というケースがあります。

このとき心配になるのが、相続税の計算上、配偶者が「法定相続人」として数えられるのか、という点です。

結論から言うと、実務上は「その婚姻が法律上有効に成立しているか」を、手続書類・届出の経緯を含めて確認します。

「相手国の登録に記載がない=直ちに無効」という短絡は危険です。

国際結婚は、どの国のルールで婚姻の成立を判断するか(準拠法)が絡みます。

日本の手続で適法に婚姻が成立しており、その旨が日本側の戸籍で確認できるなら、相続税の計算でも配偶者として取り扱われる方向で検討できます。

ただし、ケースにより確認すべき資料や論点が変わるため、「戸籍に載っているから100%大丈夫」と断言して進めるのも避けたいところです。

相続税の「総額計算」と「未分割の課税価格」で基準がズレることがある

国際相続でさらにややこしいのが、相続税計算の「どの場面で、どの相続人・どの相続分を使うか」です。

外国人の方が亡くなった場合でも、「相続税の総額」(全体の相続税)を出す場面では、日本の民法の相続人・相続分をベースに計算する、という整理がされています。

一方で、遺産分割が申告期限までに終わらず「未分割」の部分が残ると、「相続税の総額」の計算は以下のとおり変わります。

国税庁HP・質疑応答事例(一部抜粋)
被相続人が外国人である場合の未分割遺産に対する課税
【照会要旨】
遺産が未分割のときは、日本の民法の規定による相続人及び相続分を基として計算するのか又は本国法の規定による相続人及び相続分を基として計算するのかいずれによりますか。
【回答要旨】
被相続人の本国法の規定による相続人及び相続分を基として計算することとなります。

時間がかかる前提で早く動く!

国際相続は、国内相続よりも「最初の事実認定」が重要です。

最低限、次の3点は早めに整理すると事故が減ります。

1つ目は、婚姻関係の確認です。

日本側の戸籍で婚姻の記載が取れても、相手国側の登録状況や、届出の経緯により追加資料が必要になることがあります。

「法定相続人に数える前提」が揺らぐと、基礎控除の人数計算や配偶者の税額軽減の検討にも波及します。

2つ目は、準拠法(どの国の法で相続関係をみるか)の整理です。

未分割の仮計算で本国法が問題になる場面がある以上、被相続人の本国法の確認は「後回しにしない」のが安全です。

3つ目は、申告期限(10ヶ月)までの分割見通しです。

分割が間に合うのか、間に合わない前提で「未分割計算→後日調整」にするのか。

この設計次第で、必要資料の収集・関係者の動き方・税額の見込み説明の仕方が変わります。

国際相続では、日本国内の相続実務だけでなく、外国法の確認や翻訳、在外書類の取得が絡み、時間が読みづらいことが多いです。

必要なら弁護士・行政書士等とも連携しながら進めるのが現実的です。

想う相続税理士

不明点を1つ1つ詰めて手続きを進めていきましょう。