相続税専門税理士の富山です。
今回は、「贈与税の配偶者控除」の注意点について、お話します。
出典:TAINS(贈与事例大阪局R041100)(一部抜粋加工)
資産課税関係 誤りやすい事例
「年末の状況」ではなく「贈与の日」で判定する
贈与税の配偶者控除は、うまく使えば、相続税対策として有効な場合があります。
一方で、判断の基準時を取り違えると、「使えると思っていたのに使えない」という結果になり得ます。
典型が「婚姻期間20年」の判定です。
この「20年」は、婚姻の届出日から贈与の日までの期間で判定します。
さらに、1年未満の端数は切り捨てとなるため、「年末には20年を超える」場合でも、贈与日時点では切り捨てで19年であれば、適用できないということになります。
つまり、年末基準で「もう20年になるから」と進めると、肝心の贈与日が早過ぎてアウト、ということが起こり得ます。
相続手続きが近づくと、家やお金の整理を急ぎたくなります。
だからこそ、特例の「日付のルール」は先に押さえておくのが安全です。
「離婚により年末は配偶者でない=特例適用不可」とは限らない
次に誤解が多いのが、贈与の年の途中で離婚したケースです。
「年末に夫婦でないなら、贈与税の配偶者控除は使えない」と考えたくなるかもしれませんが、そんなことはありません。
その年の年末までに離婚した場合であっても、受贈財産に引き続き居住する見込みであるときは、配偶者控除の適用がある
贈与後に離婚することとなった場合、その離婚のために特例の適用が受けられなくなり、多額の贈与税を納付しなければならなくなる、なんてことには(受贈財産に引き続き居住する見込みであれば)ならない、ということです。
再婚した場合は「以前に使ったからダメ」と決めつけない
最後に、再婚が絡むケースです。
過去に、前の配偶者からの贈与で、贈与税の配偶者控除を使ったことがあるとします。
この場合、「一度使ったからもう一生使えない」と思い込んでいる方がいるかもしれませんが、そんなことはありません。
前回の贈与者と今回の贈与者が異なる場合には、今回の贈与についても贈与税の配偶者控除の適用を受けることができる
「その年の前年以前に贈与税の配偶者控除の適用を受けた贈与に係る贈与者」以外からの贈与については、要件を満たせばOKです。
想う相続税理士
