【毎日更新】相続税専門税理士ブログ

建物のみ生計一親族と共有の賃貸物件敷地に対する小規模宅地等の特例の適用

相続税専門税理士の富山です。

今回は、小規模宅地等の特例の適用について、お話します。


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相続税の申告における小規模宅地等の特例とは?

相続税の計算においては、一定の居住用または事業用の宅地等について、その評価額を80%または50%減額して申告することができる「小規模宅地等の特例」という制度があり、大きくは「(1)特定事業用宅地等」「(2)特定同族会社事業用宅地等」「(3)特定居住用宅地等」「(4)貸付事業用宅地等」の4つの適用パターンがあります。

「(3)特定居住用宅地等」には、

  1. 亡くなった方の貸付事業の用に供されていた宅地等
  2. 亡くなった方と生計を一にしていた亡くなった方の親族の貸付事業の用に供されていた宅地等
の2パターンがあります。

賃貸物件の建物のみが生計一親族と共有だった場合

夫Aさんが所有するイ土地の上に、夫Aさん2/3・妻Bさん1/3の共有のアパートが建っていたとします。

妻Bさんは夫Aさんの生計一親族です。

妻Bさんは1/3だけ建物の所有者ですが、土地の所有者である夫Aさんに地代を払っていません(夫Aさんは妻Bさんにイ土地をタダで貸しています)。

夫Aさんが亡くなった場合、イ土地に対する小規模宅地等の特例の適用はどうなるでしょうか?

アパートの建物が夫Aさん2/3・妻Bさん1/3の共有になっていますので、家賃収入も2/3・1/3の割合で受け取っています。

この場合、一定の要件を満たせば、イ土地の2/3部分は①「亡くなった方(夫Aさん)の貸付事業の用に供されていた宅地等」であり、イ土地の1/3部分は②「亡くなった方と生計を一にしていた亡くなった方の親族(妻Bさん)の貸付事業の用に供されていた宅地等」に該当し、全体が小規模宅地等の特例の適用対象となります。

単価の違いに注意

「イ土地の2/3部分(①)」「イ土地の1/3部分(②)」どちらも小規模宅地等の特例の適用対象となり得るのですが、小規模宅地等の特例には、限度面積要件があり、小規模宅地等の特例については、全体で330㎡が限度となります。

イ土地の面積が全体で330㎡を超える場合、特例を適用できない部分が出てきます。

この場合、先に「イ土地の1/3部分(②)」について適用し、次に「イ土地の2/3部分(①)」について残りの適用面積を適用すると、最も相続税が安くなります。

「イ土地の2/3部分(①)」は建物と土地の所有者が一緒(夫Aさん)であり、入居者の権利が土地に及ぶため、評価額が安くなります(「貸家建付地評価」をします)。

それに対して、「イ土地の1/3部分(②)」はタダ貸ししているため、妻Bさんの権利が及ばす(入居者の権利も及びません)、評価額が安くなりません(そのままの評価であり、これを「自用地評価」と言います)。

評価額が安くならないということは、評価額が安くなる土地に比べて単価が高い、ということになります。

面積の限度があるのであれば、単価が高い土地から適用した方がいいため、「イ土地の1/3部分(②)」を優先するのです。

想う相続税理士

「イ土地の1/3部分(②)」は、自用地評価なのですが「貸付事業用宅地等」に該当しますので、ご注意を。