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補正後の路線価が同額の場合、どっちが正面路線になる?

ホームズ!評価しようとする土地が2つの路線に接している場合、路線価が同じなら、どちらを正面路線に採用して評価しても問題はないのかい?
ワトスン君、そんなことはないよ。路線価地域の土地を評価する場合、不整形地補正率や間口狭小補正率、奥行長大補正率など、各種の補正率を加味する場合があるんだが、それらはどちらを正面路線にするかで、大きく異なる場合があるからねえ。

相続税専門税理士の富山です。

今回は、相続税の申告における土地の評価において、路線価方式で計算する場合の正面路線の判定について、お話します。

メインとなる正面路線を決める必要がある

相続財産に土地がある場合、原則として「路線価方式」「倍率方式」により評価します。

路線価方式により評価する場合、1つの路線にしか接していなければ、その路線の路線価を元に計算すればいいのですが、上記の図のように、2つの路線に接している場合、どちらを「メイン」とするかを決める必要があります。

メインとなる路線を「正面路線」と言い、基本的にはこの正面路線の路線価をベースに計算し、それ以外(サブ)の路線の路線価を、若干加味する感じで評価することになります。

路線価が高い方の路線が正面となるが・・・

2つの路線価に接している場合、どちらが正面路線になるかというと、路線価が高い方が正面路線になります。

ただし、その路線に付されている路線価をダイレクトに比較するのではなく、各路線価に、奥行価格補正率を乗じた後の金額で比較することになります。

上記の図の評価対象地が普通住宅地区にある場合、奥行価格補正率は、
奥行距離30mの場合:0.95
奥行距離15mの場合:1.00
ですので、
A路線:20,000円×0.95=19,000円
B路線:19,000円×1.00=19,000円
となります。

あれっ、奥行価格補正率を乗じた後の金額が同額になっていますよ!

このような場合はどうなるんですか?

想う相続税理士秘書

補正後の路線価が同額の場合は接道距離で正面が決まる

上記のように、路線価に奥行価格補正率を乗じた後の金額が同額となる場合には、原則として、路線に接する距離の長い方の路線が正面路線になります。

上記の図を見ると、評価対象地がA路線に接している距離は20m、B路線に面している距離は30mですので、B路線の方が路線に接する距離が長いことが分かります。

したがって、B路線が正面路線となります。

先ほど「基本的にはこの正面路線の路線価をベースに計算し、それ以外(サブ)の路線の路線価を、若干加味する感じで評価する」と言いましたが、具体的には、

① B路線19,000円×1.00=19,000円
② A路線20,000円×0.95=19,000円
③ ①+(②×0.03)=19,570円
という感じに計算します。

この0.03というのは、A路線を若干加味する場合に使用する「側方路線影響加算率」です。

つまり、A路線の路線価を3%だけ加味して評価する、ということです。

路線価は、1㎡当たりの金額ですので、最終的にこの評価対象地の評価額は、

④ ③×(15m×30m)=8,806,500円
となります(その他の要因は加味していません)。

想う相続税理士

奥行価格補正率を乗じる前の路線価だと、A路線の20,000円の方が高いので、A路線が正面路線になりそうな気もしますが、そういう判断はしませんので、ご注意を。