コンテンツ
居住者の有する有価証券等が相続又は遺贈により非居住者に移転した場合
1億円基準の判定方法
対象資産の価額の合計額が1億円以上となるかどうかについては、非居住者である相続人等が取得した相続対象資産の価額の合計額のみで判定するのではなく、その相続対象資産の価額の合計額を含めて、被相続人(=亡くなった方)が相続開始の時に所有等していた全ての対象資産の価額の合計額で判定する
外貨建て有価証券の換算方法
外貨建ての有価証券については、対顧客直物電信売相場(T.T.S)と対顧客直物電信買相場(T.T.B)の仲値(T.T.M)により円換算をする
したがって、国外転出前に確定申告書を提出する場合は、国外転出の予定日の3ヶ月前の日のT.T.Mにより円換算をし、国外転出後に確定申告書を提出する場合は、国外転出の時のT.T.Mにより円換算をする
申告期限
国外転出(相続)時課税の申告をする場合は、適用被相続人等の相続人は、相続開始があったことを知った日の翌日から4ヶ月を経過した日の前日までに、その年の各種所得に国外転出(相続)時課税の適用による所得を含めて適用被相続人等の準確定申告及び納税をする必要がある
相続により財産を取得しなかった相続人の取扱い
国外転出(相続)時課税は、適用被相続人等が亡くなった場合に、適用被相続人等が相続対象資産を譲渡等したものとみなし、その相続人が適用被相続人等の準確定申告をすることになる
したがって、相続対象資産を取得したか、また居住者又は非居住者であるかを問わず、適用被相続人等の相続人が、適用被相続人等の各種所得に国外転出(相続)時課税の適用による所得を含めて適用被相続人等の準確定申告及び納税をする必要がある
未分割申告の場合
国外転出(相続)時課税の申告期限までに遺産分割が確定しなかった場合には、民法の規定による相続分の割合等に従って非居住者である相続人等に相続対象資産の移転があったものとして国外転出(相続)時課税の申告をする必要がある
その後、遺産分割が確定したことにより、非居住者である相続人等が取得する相続対象資産が相続分の割合等に従って申告した内容と異なることとなった場合には、適用被相続人等の相続人は、その遺産分割が確定した日から4ヶ月以内に、その国外転出(相続)時課税の適用を受けた年分の所得税の税額が増加するときには修正申告書を提出しなければならず、その税額が減少するときには更正の請求をすることができる
納税猶予適用時の納税管理人の届出方法
納税猶予の特例の適用を受けるために納税管理人の届出書を提出する場合において、相続対象資産を取得した非居住者である相続人等が2人以上いるときは、非居住者である相続人等が連署による一の書面で提出しなければならない
ただし、他の非居住者である相続人等の氏名を付記して各別に納税管理人の届出書を提出することもできるが、その場合は、遅滞なく、他の非居住者である相続人等に対し、その納税管理人の届出書に記載した内容を通知しなければならない