相続税専門税理士の富山です。
今回は、相続に関するご相談をする際に、「近くの税理士に頼むべきか?それとも遠方でも大丈夫なのか?」ということについて、お話します。
相続税の申告を依頼するにあたって、税理士をどう選ぶかは重要なポイントです。
特に、「近くの税理士の方が安心」「遠方でも信頼できそうな税理士の方がいいかも」と悩む方も少なくありません。
この記事では、相続税の申告を依頼する税理士を選ぶ際の考え方について、分かりやすく解説いたします。
「近さ」はやはり安心材料。ただしそれだけでは不十分
税理士に相談する際、多くの方がまず重視するのが「距離」です。
やはり、同じ市区町村内や近隣に事務所がある税理士なら、すぐに会える安心感がありますし、対面での打ち合わせがしやすいというメリットがあります。
特に、顔を見て相談したいと考えている方にとっては、税理士が近くにいることは大きな安心材料となります。
ただし注意したいのは、「近いからといって、その税理士が相続税に詳しいとは限らない」という点です。
法人決算を主に扱う税理士事務所などでは、相続税申告の件数が非常に少ない場合もあるため、専門性には差が出ます。
遠方でも専門性があれば選択肢に入れてよい
一方で、近くに相続税に強い税理士が見当たらない場合には、遠方の税理士を選ぶのも一つの手です。
最近では、Zoom等を活用したオンライン相談が当たり前になってきており、物理的な距離が障害になることはほとんどなくなってきました。
申告に必要な資料のやり取りも、「スキャンしてメール」や「郵送」でも対応できますし、弊事務所でも「メール」+「電話」で相続税の税務調査の対応のご相談に乗ったこともあります。
重要なのは、「すぐに会えるかどうか」ではなく、「相続税に詳しいかどうか」や「きちんと対応してもらえるか」です。
役所調査が必要かどうか?
注意が必要と思われるのは、役所調査です。
相続財産である土地を評価する際、役所調査が必要になる場合があります。
遠方の税理士だと、この役所調査が難しい場合が考えられます。
とはいえ、コロナ禍を経て、昔は「窓口に来たら教えられます」という対応だったのが、メールで対応してくださるようになったりしています(でも、回答は電話だったりします!)。
しかし、全部が全部、メールや電話で対応してもらえるかと言うと、そんなことは無いものと思われます。
実際に役所に足を運ばないと役所調査ができない、ということになった場合には、近くの税理士の方がいいでしょう。
ただし、税理士が遠方で役所に行くのが大変だとしても、お客様が役所に足を運べるようであれば、お客様に行っていただく、というのも手です。
弊事務所でも、お客様に役所の窓口で提示していただく書類を郵送でお送りし、「これを役所の窓口で見せて、○○を請求してください。その際に、これに注意してください。ここに書いておきますから、ここも窓口の方に読んでもらってください」という感じで、お客様に動いてもらうこともあります。
その際には、お客様が何かその場で判断する必要がないよう、私の方で想定されるやり取りを書面にして、それを持参してもらいます。
分からなければ、その場でお電話してもらい、場合によっては、私が窓口の方と直接お話したりします。
さらに、お客様が役所に足を運べない場合でも、代わりに足を運んでくださる専門業者さん(会社)もいます。
お金はかかりますが、そのような方のお力を借りることも可能です。
現地調査が必要かどうか?
また、土地の評価をする際、現地調査の結果が評価額に大きな影響を及ぼす場合があります。
遠方の税理士ですと、この役所調査が難しい場合が考えられます。
こちらもまた、弊事務所の話で、さらにコロナ渦で外出が難しい時のお話ですが、メールと電話でやり取りして、「この土地の上のこの建物の位置(関係)が知りたいです」とお伝えして、スマホで写真を撮ってもらってメールで送っていただいたりしたこともあります(写真まではお願いしなかったのですが、写真を送ってくださいました)。
そのような対応で可能な場合もあります。
さらに、この現地調査も、代わりにやってくださる専門業者さん(会社)もいます。
現地の写真を撮ったり、道路の幅員を測ってくださったりするのです。
お金はかかりますが、そのような方のお力を借りることも可能です。
想う相続税理士秘書
想う相続税理士
専門性と対応力のある税理士であれば、たとえ遠方でも、信頼できるパートナーになれるはずです。
近くに相続税に詳しい税理士がいれば、断然その税理士がいいでしょう(ラッキーです)。