【毎日更新】相続税専門税理士ブログ

相続人以外の方が特定遺贈により賃貸不動産を取得した場合の所得税の確定申告の注意点

相続税専門税理士の富山です。

今回は、相続人以外の方が賃貸不動産を特定遺贈により取得した場合における、所得税の確定申告の注意点について、お話しします。


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相続で取得した場合は不動産取得税がかからない?

地方税法(一部抜粋)
第73条の7 形式的な所有権の移転等に対する不動産取得税の非課税
道府県は、次に掲げる不動産の取得に対しては、不動産取得税を課することができない。
一 相続(包括遺贈及び被相続人から相続人に対してなされた遺贈を含む。)による不動産の取得

不動産取得税は、土地の売買や贈与だとかかりますが(「免税点」未満であればかからなかったりします)、相続であれば通常かかりません。

ただし、相続人以外の方への特定遺贈の場合には、不動産取得税が課税される場合があります。

不動産取得税は経費になる

賃貸不動産を特定遺贈により取得した場合、その賃貸不動産はご自分のものになりますから、そこから生じる賃貸収入(不動産所得)については、所得税の確定申告をする必要があります。

その際、不動産取得税は、経費にすることができます。

国税庁HP・タックスアンサー(一部抜粋)
No.2215 固定資産税、登録免許税又は不動産取得税を支払った場合
概要
業務の用に供される資産に係る次のような租税は、各種所得の金額の計算上必要経費に算入されます。
(3) 不動産取得税

不動産取得税の金額はいつ分かる?

不動産取得税は、なかなか納税通知書が届かない場合があります。

年をまたぐ場合もあるのです。

栃木県HP(一部抜粋加工)
Q4.納税通知書はいつ届くの?
県税事務所の調査状況によりますが、おおむね次のとおりです。

不動産の取得方法 納税通知書が届く時期
土地や既存の家屋を取得し法務局で所有権移転登記を行った 登記手続が完了してから4~6か月後
(省略) (省略)
土地区画整理地内の保留地予定地を取得した 契約等をした年の翌年

不動産取得税はいつの経費になる?

国税庁HP・タックスアンサー(一部抜粋)
No.2215 固定資産税、登録免許税又は不動産取得税を支払った場合
必要経費算入時期
その年分の各種所得の金額の計算上必要経費に算入する租税は、原則として、その年12月31日までに申告や賦課決定等により納付すべきことが具体的に確定したものとされています。

ザックリ言うと、不動産取得税は、納税通知書が届いた年の経費になるものと思われます。

ただし、固定資産税、不動産取得税、自動車税などの賦課課税方式による租税のうち納期が分割して定められているものについては、各納期の税額をそれぞれの納期の開始の日の属する年分または実際に納付した日の属する年分の必要経費とすることもできます。例えば、固定資産税の第4期分の税額は、原則として賦課決定を受けた年分の必要経費になりますが、その翌年2月が納期となっていますので、納期の開始の日である翌年分の必要経費とすることもできますし、または実際に納付したその後の年分の必要経費とすることもできます。

上記のような取り扱いもありますが、不動産取得税は基本的に1回払いになるものと思われます。

想う相続税理士秘書

東京都主税局HP・不動産取得税(一部抜粋)
Q10 不動産取得税はどのように納めればいいですか。
A10 不動産取得税は、都税事務所・支庁から送付する納税通知書(毎月7日前後に発送)で、納税通知書に記載された納期限(原則として発送月の月末)までに納めてください。

固定資産税は特定受遺者が負担すべきものではない

亡くなった方の債務は、原則として相続人が負担します。

亡くなった年の納期未到来分や納期到来未納分の固定資産税を、相続人以外の特定受遺者の方が負担しても、(そもそもその相続人以外の特定受遺者の方が負担すべきものではないのですから)経費にならないものと思われます。

想う相続税理士

相続だから不動産取得税はかからない、と勘違いしていると、忘れた頃に納税通知書が届くかもしれませんので、ご注意を。