【毎日更新】相続税専門税理士ブログ

配偶者居住権は残された配偶者の居住権を保護するためのもの

相続税専門税理士の富山です。

今回は、配偶者居住権について、お話します。


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配偶者短期居住権(どんな場合でも最低6ヶ月間は自宅に住み続けられる)

相続発生時に亡くなった方が所有していた建物に、配偶者がタダで住んでいたことが大前提要件

その建物が遺言により第三者のモノになったり、配偶者が相続放棄をしている場合→その建物を取得した方は、配偶者に対して配偶者居住権(その建物をタダで使う権利)の消滅を請求することができるが、配偶者はその請求を受けた日から6ヶ月間は、その建物を使うことができる

配偶者がその建物の遺産分割に関与している場合(上記以外の場合)→遺産分割協議により誰がその建物を相続するか決まるまでの間(早く決まってしまったとしても最低6ヶ月間)は、そのままタダでその建物を使うことができる

配偶者居住権(短期じゃない方)

相続発生時に亡くなった方が所有していた建物に、配偶者がタダで住んでいたことが大前提要件

終身(一生)または一定期間、その建物の使用または収益を認める

遺産分割により配偶者居住権の取得が可能

遺言により配偶者に与えることも可能

家庭裁判所の審判により取得することも可能

そのご自宅が店舗併用住宅の場合、配偶者居住権の効力は建物全体に及ぶ

つまり、理論上は店舗部分も自分で使ったり貸したりすることができる(「所有することができる」ではない)

ただし、借地借家法による賃借人の力の方が強いから実際には使えない

建物全体とはいえ確実に自分で使えるのは居住部分のみであるため、配偶者居住権を計算する際には、居住建物部分だけをベースに評価する

「(ある意味自由に)自分で使える」といっても、住んでいたところを賃貸に回して賃貸収入を稼ぐことはできない、店舗の部分にこれからは住むようにすることは可能

「また貸し」的なことをする場合には、所有者の承諾が必要

民法(一部抜粋)
(配偶者による使用及び収益)
第千三十二条 配偶者は、従前の用法に従い、善良な管理者の注意をもって、居住建物の使用及び収益をしなければならない。ただし、従前居住の用に供していなかった部分について、これを居住の用に供することを妨げない
3 配偶者は、居住建物の所有者の承諾を得なければ、第三者に居住建物の使用若しくは収益をさせることができない

共有の場合には配偶者居住権が設定できない場合もある

その建物の所有者が、「亡くなった方の単独所有だった」場合か「夫婦で共有していた」場合にのみ認められる

例えば、旦那さんが亡くなった相続の場合、ご自宅が旦那さんと長男の共有のときは配偶者居住権は設定できない、そのご自宅に配偶者居住権を認めてしまうと、配偶者の住む権利が守られる分、長男が住めなくなってしまう可能性がある

館林市に出張訪問する相続税専門税理士から一言

想う相続税理士

夫婦+長男の3人共有の場合にも(ご自宅に奥様の持分が入っていたとしても)、同じ理由で配偶者居住権は認められませんので、ご注意を。