その引き出したお金は誰のものか?
民法第909条の2
民法(一部抜粋)
(遺産の分割前における預貯金債権の行使)
第九百九条の二 各共同相続人は、遺産に属する預貯金債権のうち相続開始の時の債権額の三分の一に第九百条及び第九百一条の規定により算定した当該共同相続人の相続分を乗じた額(標準的な当面の必要生計費、平均的な葬式の費用の額その他の事情を勘案して預貯金債権の債務者ごとに法務省令で定める額を限度とする。)については、単独でその権利を行使することができる。この場合において、当該権利の行使をした預貯金債権については、当該共同相続人が遺産の一部の分割によりこれを取得したものとみなす。
上記の取扱いにより引き出されたお金は、引き出した相続人が取得したものとみなされる
この場合、下記にあるように、各金融機関毎に150万円の限度がある
平成三十年法務省令第二十九号(一部抜粋)
民法第九百九条の二に規定する法務省令で定める額を定める省令
民法(明治二十九年法律第八十九号)第九百九条の二の規定に基づき、同条に規定する法務省令で定める額を定める省令を次のように定める。
民法第九百九条の二に規定する法務省令で定める額は、百五十万円とする。
附 則
この省令は、民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律(平成三十年法律第七十二号)の施行の日から施行する。
民法906条の2
民法(一部抜粋)
(遺産の分割前に遺産に属する財産が処分された場合の遺産の範囲)
第九百六条の二 遺産の分割前に遺産に属する財産が処分された場合であっても、共同相続人は、その全員の同意により、当該処分された財産が遺産の分割時に遺産として存在するものとみなすことができる。
2 前項の規定にかかわらず、共同相続人の一人又は数人により同項の財産が処分されたときは、当該共同相続人については、同項の同意を得ることを要しない。
上記の取扱いにより引き出されたお金は、遺産分割の対象とすることができる(引き出した相続人が取得したものとしないことができる)
家事事件手続法第200条
家事事件手続法(一部抜粋)
(遺産の分割の審判事件を本案とする保全処分)
第二百条
3 前項に規定するもののほか、家庭裁判所は、遺産の分割の審判又は調停の申立てがあった場合において、相続財産に属する債務の弁済、相続人の生活費の支弁その他の事情により遺産に属する預貯金債権(民法第四百六十六条の五第一項に規定する預貯金債権をいう。以下この項において同じ。)を当該申立てをした者又は相手方が行使する必要があると認めるときは、その申立てにより、遺産に属する特定の預貯金債権の全部又は一部をその者に仮に取得させることができる。ただし、他の共同相続人の利益を害するときは、この限りでない。
上記の取扱いにより引き出されたお金は、遺産分割の対象となる