【毎日更新】相続税専門税理士ブログ

土地が多い相続税申告で失敗しない方法|最初の1ヶ月にやるべきこととは?

相続税専門税理士の富山です。

今回は、土地が多い相続の場合、相続税申告を進める上で、最初の1ヶ月でやるべき段取りと確認ポイントについて、お話します。


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なぜ「最初の1ヶ月」が重要なのか?

相続税の申告期限は、原則として相続開始(死亡日)から10ヶ月です。

しかし、土地が多い相続では「10ヶ月あるから大丈夫」と考えるほど、進行が滞ったりやり直しが発生しやすくなります。

理由は、土地の評価は、数字を当てはめる(実際に評価する)前に「前提の確認」が多いからです。

たとえば、同じ土地でも、集める資料や確認する点が変わります。

また、土地が複数ある場合は、評価の作業量が増えるだけでなく、遺産分割の話し合いにも影響します。

その結果、「資料が揃わない」「どう評価すればいいか分からない」「分け方が決まらない」という感じで時間がどんどん消えていきます。

最初の1ヶ月でやるべきことは、難しい計算ではありません。

むしろ、「どの土地について」「何を」「どの順番で確認するか」を先に決める作業です。

ここが固まると、途中での迷いが減り、申告までの見通しが立ちやすくなります。

最初の1ヶ月チェックリスト(土地が多い方向け)

ここからは、相続税に詳しくない方でも迷わず進められるよう、確認の順番をチェックリストにします。

全部を完璧に揃える必要はありません。

分かる範囲で進めて、足りない部分は追加で確認すれば大丈夫です。

  1. まず、相続開始日(亡くなった日)と申告期限をカレンダーに書き込む
  2. 相続人が誰かを確定させ、連絡が取れる状態にする
  3. 遺言書があるかを確認し、ある場合は早急に内容を把握する
  4. 財産の全体像を「土地」「建物」「預金」「有価証券」「保険」「借入金」などに分けてメモする
  5. 土地については「所在地」と「だいたいの数」を先に一覧化する
  6. 固定資産税の課税明細書や名寄帳など、土地を拾える資料を用意する
  7. 土地の利用状況を、ざっくりで良いので分類する(自宅/貸している/駐車場/畑/空地等)
  8. 「境界があいまい」「私道が絡む」「道路が狭い」など、気になる点がある土地に印を付ける
  9. 土地の上にある建物の名義も確認する
  10. 預貯金は「銀行名」「支店」「口座種類」を一覧にし、通帳があるものから残高を確認する
  11. 保険は「保険料負担者」「契約者」「受取人」「被保険者」を確認し、保険会社の案内を探す
  12. 借入金や未払金がある場合は、残高が分かる書類を集める
  13. 過去の贈与が多い場合は、贈与契約書や振込履歴などの有無を確認する
  14. 遺産分割については、早めに「土地をどう分けるか」の問題提起をする
  15. 最後に、「誰が何を集めるか」を家族内で決める
このチェックリストの目的は、申告書を作ることではありません。

「相続税申告に必要な資料」を、もれなく、早く、集めるための準備です。

土地が多い相続ほど、ここでの遅れが後半に効いてきます。

よくあるつまずきと税理士に依頼するときの伝え方

土地が多い相続では、つまずき方に一定のパターンがあります。

代表例は、「(簡単だと思っていた)土地の評価がまったく進まない」「利用状況が整理できない(評価単位が決まらない←税理士でも難しい場合有)」「資料集めの優先順位が分からない」というものです。

ここで頑張り過ぎると、家族の負担が増えて、話し合い自体が止まってしまうこともあります。

税理士に依頼する場合は、最初から完璧な資料を揃える必要はありません。

むしろ、最初に伝えるべきは「現状」「困っている点」です。

たとえば、次の3点だけでも、段取りの見通しが立ちやすくなります。

  1. 申告期限まで残り何ヶ月か
  2. 土地が何ヶ所くらいあるかと、だいたいの利用状況
  3. 大枠の話でもいいから遺産分割が進んでいるか、まだこれからか

土地の評価は、状況によって確認事項が増減します。

そのため、見積りや進め方も、土地の数や内容で変わることがあります。

所有する土地や財産が多岐にわたる場合、申告準備を悠長に進める余裕はありません。

作業の長期化を見越し、早急に準備を開始すべきです。

想う相続税理士

初めての相続であれば「何から手を付ければよいか分からない」のは当たり前です。

困ったら税理士に相談しましょう。