相続税専門税理士の富山です。
今回は、建物の新築やリフォーム、取壊しと相続税の関係について、お話します。
ご自宅を新築した場合
相続税対策として、地主の方がアパートを建てることがあります。
ご自宅を新築した場合にも、(貸家評価や貸家建付地評価にはなりませんが)同じような相続税の節税効果が得られる場合があります。
5,000万円の預金を持っているAさんが、その5,000万円で自分が持っている土地の上にご自宅を新築しました。
Aさんが亡くなった場合、相続税申告において、その自宅建物は建築金額5,000万円で評価される訳ではありません。
自分で使っている建物の相続税評価額は、
固定資産税評価額×1.0
です。
通常、固定資産税評価額は建築金額の約60%になりますので、Aさんのご自宅建物の場合、
5,000万円×約60%=約3,000万円
約3,000万円×1.0=約3,000万円
になるものと思われます。
5,000万円の財産(預金)が3,000万円(ご自宅建物)になれば、財産が2,000万円分圧縮されますので、相続税も安くなります。
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ご自宅をリフォームした場合
5,000万円の預金を持っているBさんが、その5,000万円で自分が持っているご自宅建物のリフォームをしました。
このリフォームにより、ご自宅建物の固定資産税評価額が上がる場合、基本的には、Aさんのご自宅建物と同じように固定資産税評価額(相続税評価額)が3,000万円分追加計上されるはずです。
そうすると、Aさんと同じように2,000万円分財産が圧縮され、その分、相続税が安くなります。
ご自宅建物の価値が増加しているにもかかわらず、固定資産税評価額が上がらない場合があります。
このような場合には、そのご自宅建物の価値増加分を別途、一定の計算をすることで財産計上する必要があります。
リフォームをして、固定資産税評価額が上がらない場合でも、そのような計算をしなくていい場合があります。
ご自宅建物の価値が増加していない場合です。
壊れた箇所を直す「原状回復」であれば、建物を使うために必要なメンテナンス(通常の修繕)であり、ご自宅建物の価値は増加していないものと考えられます。
ご自宅を取り壊した場合
Cさんはご自宅建物を所有し、そこに住んでいましたが、かなり老朽化してしまったため、長男Dさんが住むマンションに引っ越して一緒に住むようになりました。
Cさんが亡くなった場合、そのご自宅建物は老朽化していても、固定資産税評価額はゼロではないでしょうから、相続税がかかります。
そして、そのご自宅建物を相続した長男Dさんが、そのご自宅建物を取り壊す場合、取り壊すのにはお金がかかります。
Cさんが、長男Dさんが住むマンションに引っ越した後、その老朽化したご自宅建物をCさんのお金で取り壊しておけば、相続の時には、そのご自宅建物がないので、相続税はかかりませんし、取壊しに使った分だけお金が減るので、さらに相続税が安くなります。
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