【毎日更新】相続税専門税理士ブログ

普通の舗装された駐車場を有人管理の立派な設備の駐車場にすれば相続税の節税が可能?

相続税専門税理士の富山です。

今回は、設備がバッチリ整っている駐車場の敷地に対する小規模宅地等の特例の適用について、お話します。


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駐車場収入は不動産所得?

他人に貸すための駐車場を所有している場合、その駐車場収入は、不動産所得なのでしょうか?

所得税基本通達(一部抜粋)
27-2 有料駐車場等の所得
いわゆる有料駐車場、有料自転車置場等の所得については、自己の責任において他人の物を保管する場合の所得は事業所得又は雑所得に該当し、そうでない場合の所得は不動産所得に該当する。

駐車場としての設備があり、管理人の方が常駐し、規模も大きい、というような場合には、事業所得に該当するものと思われます。

相続税の申告における小規模宅地等の特例とは?

相続税の計算においては、一定の居住用または事業用の宅地等について、その評価額を80%または50%減額して申告することができる「小規模宅地等の特例」という制度があり、大きくは「(1)特定事業用宅地等」「(2)特定同族会社事業用宅地等」「(3)特定居住用宅地等」「(4)貸付事業用宅地等」の4つの適用パターンがあります。

駐車場の敷地は特定事業用宅地等?貸付事業用宅地等?

亡くなった方の相続財産の中に、その収入が事業所得に該当する駐車場がある場合、その駐車場の敷地は、「(1)特定事業用宅地等」として小規模宅地等の特例を適用できるのでしょうか?

「(4)貸付事業用宅地等」は200㎡まで50%減額ですが、「(1)特定事業用宅地等」に該当すれば400㎡まで80%減額を適用することができるため、どちらに該当するかで、相続税に大きな違いが生じます。

想う相続税理士秘書

租税特別措置法(一部抜粋加工)
3 この条において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 特定事業用宅地等 被相続人等の事業(不動産貸付業その他政令で定めるものを除く。以下この号及び第3号において同じ。)の用に供されていた宅地等で、
四 貸付事業用宅地等 被相続人等の事業(不動産貸付業その他政令で定めるものに限る。以下この号において「貸付事業」という。)の用に供されていた宅地等で、

「不動産貸付業その他政令で定めるもの」に該当するかどうかで変わりそうです。

では、政令を見てみます。

租税特別措置法施行令(一部抜粋加工)
7 法第69条の4第3項第1号及び第4号に規定する政令で定める事業は、駐車場業、自転車駐車場業及び準事業とする。

駐車場業は、「不動産貸付業その他政令で定めるもの」に該当するため、その敷地は貸付事業用宅地等の適用の可能性はあっても、特定事業用宅地等の適用の可能性はありません。

想う相続税理士

ダメ押しの規定があります。

租税特別措置法関係通達(一部抜粋)
69の4-13 不動産貸付業等の範囲
被相続人等の不動産貸付業、駐車場業又は自転車駐車場業については、その規模、設備の状況及び営業形態等を問わず全て措置法第69条の4第3項第1号及び第4号に規定する不動産貸付業又は措置法令第40条の2第7項に規定する駐車場業若しくは自転車駐車場業に当たるのであるから留意する。
(注) 措置法令第40条の2第1項に規定する準事業は、上記の不動産貸付業、駐車場業又は自転車駐車場業に当たらないことに留意する。