【毎日更新】相続税専門税理士ブログ

相続税申告において敷地の評価をする場合のアパート・貸家と分譲マンションの相違点

相続税専門税理士の富山です。

今回は、相続税の申告において複数の建物が建っている土地を評価する場合の注意点について、お話します。


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土地はつながっていれば1つの土地として評価する?

相続財産の中に、土地イ(a町1101)と土地ロ(a町1102)があり、東西につながっているとします。

この場合、土地イと土地ロは地番が違う(1101と1102で違う)から、別々に評価するのでしょうか?

それとも、隣接していて見た目が1つの土地だったら、1つの土地として評価するのでしょうか?

国税庁HP・タックスアンサー(一部抜粋加工)
No.4603 宅地の評価単位
概要
宅地の価額は、1筆単位で評価するのではなく、1画地の宅地(利用の単位となっている1区画の宅地をいいます。)ごとに評価しますが、具体的には、次のように判定します。
なお、相続、遺贈または贈与により取得した宅地については、原則として、取得者が取得した宅地ごとに判定しますが、宅地の分割が親族間等で行われた場合において、例えば、分割後の画地が宅地として通常の用途に供することができないなど、その分割が著しく不合理であると認められるときは、その分割前の画地を「1画地の宅地」として評価します。

地番が違うから別の土地として評価する、という考え方はありません。

「利用の単位ごと」に評価します。

貸家・アパートは建物毎に敷地を評価する

判定基準
(5) 貸家建付地(貸家の敷地の用に供されている宅地をいいます。)を評価する場合において、貸家が数棟あるときには、原則として、各棟の敷地ごとに1画地の宅地とします。

土地イ・土地ロの上に、アパートA棟・アパートB棟・アパートC棟とアパートが3棟建っていたら、または、貸家A・貸家B・貸家Cと貸家が3軒建っていたら、評価単位は3つになります。

土地イと土地ロ(土地イ+土地ロ)を、Aの敷地・Bの敷地・Cの敷地に区分する必要があるのです。

分譲マンションを評価する場合には敷地権に注意

国税庁HP・タックスアンサー(一部抜粋)
No.4602 土地家屋の評価
概要
<参考>マンションの評価方法
マンションは、敷地利用権(土地部分)の価額と区分所有権(家屋部分)の価額の合計額により評価します。
具体的には、まず、次のとおり、敷地利用権(土地部分)の価額についてはマンションの敷地全体の価額に敷地権の割合を乗じて計算し、区分所有権(家屋部分)の価額については固定資産税評価額により計算します。
敷地利用権(土地部分)の価額
<計算方法>
1 マンションの敷地全体の価額を計算します。
2 敷地全体の価額に敷地権の割合を乗じて敷地利用権の価額を計算します。

分譲マンションの敷地の評価額は、
「敷地全体を1つの土地として計算した評価額」×「敷地権の割合」
で計算します。

この「敷地全体を1つの土地として計算した評価額」とは、「敷地権」単位で評価します。

亡くなった方が「ブロンズレジデンスⅡ」というマンションの1室を所有していたとします。

このブロンズレジデンスマンションは、南北につながっている土地ハ・土地ニ・土地ホの上に、ブロンズレジデンスⅠ・ブロンズレジデンスⅡ・ブロンズレジデンスⅢと同じ敷地面積の3棟の建物が建っていて、亡くなった方は真ん中の建物(「ブロンズレジデンスⅡ」)の1室を所有していたとします。

ブロンズレジデンスマンションの敷地権が、ブロンズレジデンスⅠ・ブロンズレジデンスⅡ・ブロンズレジデンスⅢごとに3つに分かれていれば、ブロンズレジデンスⅡの敷地権のみを1つの土地(敷地権)として評価し、それに亡くなった方が所有していた1室の「敷地権の割合」を掛けて計算します。

ブロンズレジデンスマンションの敷地権が、ブロンズレジデンスⅠ・ブロンズレジデンスⅡ・ブロンズレジデンスⅢの3棟の敷地に及ぶものだったら、言い換えると、ブロンズレジデンスⅠ・ブロンズレジデンスⅡ・ブロンズレジデンスⅢの敷地権が同じだったら、その3棟の敷地に及ぶ敷地権を1つの土地(敷地権)として評価し、それに亡くなった方が所有していた1室の「敷地権の割合」を掛けて計算します。

この場合の「敷地権の割合」は、3棟の敷地に及ぶ敷地権全体に対する割合になっているため、3で割ってから「敷地権の割合」を掛けたりはしません。

また、敷地権が3つに分かれている場合でも、ブロンズレジデンスⅡの敷地権の所在が、土地ニの所在と一致しているとは限りません。

想う相続税理士

まずは、分譲マンションの登記事項証明書の記載内容をきちんと確認しましょう。