【毎日更新】相続税専門税理士ブログ

墓地に隣接している土地は相続税が安くなる?

相続税専門税理士の富山です。

今回は、相続財産である土地の中に、墓地に隣接している土地がある場合の、その土地の評価減について、お話します。


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墓地に隣接していると土地の利用価値が著しく下がる?

国税庁HPタックスアンサー(一部抜粋加工)
No.4617 利用価値が著しく低下している宅地の評価
次のようにその利用価値が付近にある他の宅地の利用状況からみて、著しく低下していると認められるものの価額は、その宅地について利用価値が低下していないものとして評価した場合の価額から、利用価値が低下していると認められる部分の面積に対応する価額に10パーセントを乗じて計算した金額を控除した価額によって評価することができます。
4  1から3までの宅地以外の宅地で、騒音、日照阻害(建築基準法第56条の2に定める日影時間を超える時間の日照阻害のあるものとします。)、臭気、忌み等により、その取引金額に影響を受けると認められるもの

墓地は、上記の「忌み」(忌み施設=嫌悪施設)に該当する、と言われることがあります。

嫌悪施設に隣接しているだけでは評価減不可

墓地が「忌み施設=嫌悪施設」に該当するからと言って、直ちに隣接地に評価減を適用できるワケではありません。

出典:TAINS(Z257-10697)
東京地方裁判所平成19年(行ウ)第683号固定資産評価審査決定取消請求事件(棄却)(一部抜粋加工)

原告は、本件土地5及び8の正面路線を挟んで向かい側の土地の南側は、墓地であり、墓地は忌み施設・嫌悪施設として減価補正がされなければならないとして、これを減価補正していないことが不当である旨主張する
確かに、一般に比較的住居を建築する場所に余裕がある地域においては、墓地は、いわゆる嫌忌施設として、その地域の住民が近隣に居所を建築することを避ける傾向にあるため、近隣の土地の価格に著しい影響を与える余地があり得るといえるものの、住宅等が密集している地域においては、必ずしも墓地の存在及びこれに近接しているとの事情のみをもって、その近隣に住民らが居所を建築することを避けるといった状況を引き起こすものではなく、当該墓地の管理状況が悪い場合に生じ得る衛生上の問題といった他の環境条件として考慮しなければならない事情とは切り離して、墓地の存在のみを理由として、直ちに土地の価格が減少するという関係にあるということはできない

近隣に墓地が存在する宅地について個別の減価補正をすることの要否については、近隣の墓地の存在により、当該宅地の価格が特に著しい影響を受ける(特に著しく低下する)ものと認められるか否かを、当該宅地の周辺地域の状況等に照らして個別具体的に検証し、上記「必要があるとき」に当たるか否かを検討する必要があるというべきである。認定事実によれば、本件地域は、高度の市街化が進んだ地域といえることからすれば、近隣の墓地の存在自体が当該土地の価格に特に著しい影響を与えるものと認めるには足りず、本件土地5及び8に近接した位置に墓地が存在するとしても、そのことのみをもって、両土地について個別の減価補正をしないことが直ちに不当であるということはできない。

墓地の存在が土地の取引金額に影響を及ぼしているか?

近年の事例で、更正の請求(ザックリ言うと、一度申告した後のやり直し申告)による墓地隣接地の土地の評価減に係る採決結果があります。

国税不服審判所裁決要旨検索システム(一部抜粋加工)
支部名:大阪・裁決番号:令030007・裁決年月日:令030830・裁決結果:棄却

請求人らは、相続により取得した本件土地の評価に当たり、本件土地の前に本件墓地が存していることにより、本件土地の取引金額に影響を及ぼしその利用価値が著しく低下しており、またその状況が路線価においても考慮されていないから、減額して評価すべきである旨主張する。しかしながら、請求人らは、本件土地の減価について、当初申告では行っておらず、その後の更正の請求において主張するに至ったものであり、納税義務者において一旦申告書を提出した以上、その申告に係る財産の評価に誤りがあること、すなわち本件土地の取引金額に影響を及ぼすと認められる事情等については、最終的に納税義務者の責任において明らかにすべきものと解するのが相当である。請求人らの主張立証を前提としても、本件墓地の存在を理由に、本件土地の取引金額に影響を及ぼしていることを具体的に認めるに足りる事情はうかがえず、当審判所の調査によってもその具体的事情は認められないことから、本件土地については、利用価値が著しく低下している宅地として減額して評価すべきとは認められない。(令3. 8.30 大裁(諸)令3-7)

想う相続税理士

「墓地→忌み施設→評価減」と飛びついて評価せず、その影響度合いをきちんと説明できるか、検討しましょう。