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相続税専門税理士㊙カード68【換価分割と代償分割】


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換価分割

「換価分割」とは、相続財産を売却して現金に換え、その売却代金を相続人間で分ける遺産分割方法

例えば、相続人が長女と二女の2人で、亡くなった方のご自宅を相続するとする

このご自宅を売却して、その売却代金を半分ずつ分けるのである(半分ずつじゃなくても可)

亡くなった方の名義のままでは売却できないので、一度、相続人の名義にする(相続登記する)必要がある

この場合、長女と二女の名義にする(「共同登記」)パターンと、長女(二女でも可)を代表者として長女の名義にする(「単独登記」)パターンがある

「単独登記」だと、長女が1人で売却を進めることができる

「共同登記」だと、売却するにしても、長女と二女がそれぞれ契約当事者として契約に関わらなければならない

「単独登記」だと売却手続きはラクだが、もし万が一、売却できない場合には面倒くさいことになる(代表者が死亡したりするともっと面倒くさくなる)

「単独登記」の場合、遺産分割協議書にその旨を記載しておかないと、長女が100%相続したことになってしまう

そうすると、売却代金の半分を二女に送金した場合、それは贈与になってしまう(二女に贈与税が課税される)

代償分割

二女が今すぐお金が欲しい、という場合、換価分割だと売却まで時間がかかる(場合がある)ので、「代償分割」が選択される場合がある

例えば、上記の事例でご自宅の相続税評価額が2,000万円の場合、二女が「じゃあ、お姉ちゃん、自宅は全部相続していいから、私に代償分割金として1,000万円支払ってくれない?」という感じである

 つまり、代償分割とは、特定の相続人がその財産を単独で取得し、代わりに他の相続人に対して金銭などを支払って調整する遺産分割方法である

相続人間で代償分割金としてお金を振り込む場合、贈与になってしまいそうだが、上記の換価分割の「単独登記」と同様、遺産分割協議書にきちんと書いておけば、贈与にはならない

 上記の場合、代償分割金1,000万円が2,000万円の半分だからいいようにも見えるが、この2,000万円という金額は「相続税評価額」であり、「時価」ではない

実際には1,500万円でしか売れないかもしれない、逆に、4,000万円で売れるかもしれない

 その時点では売却に係る経費がいくらかかるかも分からない(結果的に税金も分からない)

また、代償分割(「お姉ちゃん、自宅は全部相続していい」)の場合、ご自宅を相続するのは長女1人ということになる

そうすると、ご自宅を売却した場合に税制上の優遇措置(特例)の適用を受けられるのも、長女1人だけということになる(売却益(譲渡所得)が大きい場合には不利)

相続税の一部が経費になる「取得費加算の特例」も、代償分割の場合には一定の調整計算が必要となる

平等な分割を重視するのであれば、代償分割は選択肢になりにくい