【毎日更新】相続税専門税理士ブログ

遺留分侵害額の請求中の相続税の申告方法

相続税専門税理士の富山です。

今回は、遺留分侵害額の請求を受けている、または、している(最中の)場合の相続税の申告方法について、お話します。


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遺留分は遺言があっても絶対もらえる財産の取り分

「遺留分」とは、一定の相続人に対して認められる、遺言によっても奪うことのできない財産の取り分のことを言います。

あくまでも「遺言がある場合」の話です。

遺言がない場合には、「遺留分」は出てきません(家庭裁判所の調停等になった場合には、「法定相続分」の話が出てきます)。

想う相続税理士秘書

例えば、夫が亡くなり、相続人が妻・長男の2人だとします。

夫が「全財産を妻に相続させる」という遺言を書いたとしても、長男は遺留分(1/4)相当の金銭の支払を妻に請求することができます(これを「遺留分侵害額の請求」と言います)。

妻は3/4だけ申告すればいい?

上記の話の続きですが、夫が「全財産を妻に相続させる」という遺言と財産4億円を残し、長男が妻に対して遺留分侵害額の請求をしたところで、相続税の申告期限を迎えた場合、妻は、1億円(4億円の1/4)を長男に支払うことになるでしょうから、4億円△1億円=3億円の財産を取得したモノとして相続税の申告をすればいいのでしょうか?

逆に、長男は家庭裁判所の調停の申し立てをすれば、1億円は必ずもらえるモノとして、1億円に対する相続税の申告をすればいいのでしょうか?

遺言どおりに申告し確定したらやり直す

相続税法基本通達(一部抜粋加工)
11の2-4 裁判確定前の相続分
相続税の申告書を提出する時又は課税価格及び相続税額を更正し、若しくは決定する時において、まだ法第32条第1項第2号、同項第3号、法施行令第8条第2項第1号又は第2号に掲げる事由が未確定の場合には、当該事由がないものとした場合における各相続人の相続分を基礎として課税価格を計算することに取り扱うものとする。

相続税法(一部抜粋加工)
第32条 更正の請求の特則
相続税又は贈与税について申告書を提出した者又は決定を受けた者は、次の各号のいずれかに該当する事由により当該申告又は決定に係る課税価格及び相続税額又は贈与税額が過大となつたときは、当該各号に規定する事由が生じたことを知つた日の翌日から4月以内に限り、納税地の所轄税務署長に対し、その課税価格及び相続税額又は贈与税額につき更正の請求をすることができる。
三 遺留分侵害額の請求に基づき支払うべき金銭の額が確定したこと。

調停成立等により、支払額が確定するまでは、遺留分侵害額の請求なんてないモノとして申告します。

支払額がきちんと決まっていないからです。

決まったら、妻は4ヶ月以内に更正の請求(3億円で申告し直し)をすることにより、相続税の還付を受けることができます。

その場合には、長男は期限後申告をすることになります。

想う相続税理士

遺留分侵害額の請求は、相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から1年で時効になります(相続開始の時から10年を経過しても時効)。

家庭裁判所の調停を申し立てただけでは相手方に対する意思表示とはならず、調停の申立てとは別に内容証明郵便等により意思表示を行う必要がありますので、ご注意を。