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相続税申告の債務控除で注意すべき債務3選

想う相続税理士、富山です。

今回は、相続税の申告において債務控除の対象になるかどうか、判断を誤りやすい例を3つご紹介します。

相続税を計算する際には、亡くなった方が残した借入金などの債務を、土地や預貯金などのプラスの財産から差し引くことができます。

この差し引くことを「債務控除」と言います。

この場合の債務には、葬式費用も含みます。

想う相続税理士秘書

相続で取得するプラスの財産が多くても、引き継ぐ借入金などのマイナスの財産も多ければ、そのマイナスの財産の返済で結果的にプラスの財産も減ってしまうでしょう(処分せざるを得ないでしょう)。

それを考慮すれば、プラスの財産にそのまま相続税を課税するワケにはいかない、ということです。

想う相続税理士

この債務控除は、相続人や包括受遺者(遺言により財産を特定せずに割合で取得する方)のうち一定の方にのみ認められています(相続時精算課税贈与により財産を取得した方を含みます)。

非課税財産の取得により発生した債務

亡くなった方が生前にお墓を購入したけれども、死亡日までに代金の支払が終わっていない、という場合、相続人の方などが代わりに支払うことになります。

これは債務控除の対象になりそうですが、なりません。

お墓が相続税の非課税財産であるためです。

「お墓に相続税がかからないんだから、それに関する債務は債務控除できなくても、相続税の負担は重くならないでしょ」という税務署の理屈です。

しかし、何に関する債務だろうが、相続人の方などが払わなければならないことに変わりはありません。

債務として残っていなければ、つまり、生前に亡くなった方が支払を済ませていれば、支払額の分だけ預貯金などのプラスの財産が減るので、相続税が安くなります(債務控除できるのと同じ効果があります)。

ですから、このような非課税財産に関する債務は残さないように、生前に支払を済ませるようにしましょう。

クレジットカードで仏壇を購入し、死亡日までに支払日が到来していない場合も同様です(仏壇購入代金分は債務控除できません)。

想う相続税理士秘書

亡くなった年の固定資産税・住民税

固定資産税や住民税をお支払いになっている方が、年の最初の時期にお亡くなりになった場合、その年に支払う分の納税通知書が死亡日時点に届いていないこともあるでしょう。

死亡日時点で請求が来ていないので、その債務は債務控除できないかというと、そんなことはありません。

これらの税金は、たとえ納税通知書が届いていなくても、その年の1月1日(賦課期日)時点において納税義務が成立しているのです。

ですから、納税通知書が後から届いたとしても、死亡日時点の債務として、債務控除することができます。

団信に入っている住宅ローン

住宅ローンを組む際、通常は、団体信用生命保険に加入します(加入させられます)。

通常「団信」です。

この団信は生命保険で、住宅ローンを組んだ方が亡くなった場合、保険金がそのローン残債の支払に充てられます。

つまり、団信に入っていると、亡くなった場合、住宅ローンがチャラになるのです。

その団信の保険金が相続人の方などに支払われて、それを元に相続人の方などがローンを返済するのではなく、団信に入っていると、死亡と同時に返済が免除されるのです。

ですから、相続人の方などが払わなければならない債務には該当しないため、債務控除の対象にはなりません。

想う相続税理士

相続税の申告をするため、銀行に残高証明書を発行してもらい、そこに載っている借入金を何の確認もせずにそのまま債務控除の対象にしたりすると、実は団信で本当は残高ゼロだった、なんてことが起こり得ますので、ご注意を。