【毎日更新】相続税専門税理士ブログ

絶対にモメないのに・・・。遺言を作成すべき意外なケース

相続税専門税理士の富山です。

今回は、モメそうな場合だけではなく、絶対にモメない場合でも、遺言を作成しておいた方がいいケースがある、ということについて、お話します。


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相続人がいれば預金が解約できる

亡くなった方の預金は、相続人の方全員が同意すれば、解約することができます。

亡くなった方の財産は、相続発生と同時に「遺産共有」の状態になります。

つまり、相続人全員の共有状態になります。

例えば、相続人が長女Aさん・二女Bさん・三女Cさんだとすると、各3分の1ずつの共有となるのです。

二女Bさん・三女Cさんがそれぞれ3分の1所有している状態なのに、長女Aさんが金融機関の窓口に1人で来て、「私が長女なんだから、亡くなった人の預金を全額解約して私の口座に入金して!」と言われて、二女Bさん・三女Cさんの同意を確認せず、そのとおりにしたら、金融機関は二女Bさん・三女Cさんに怒られてしまいます。

ですから、3人の間で遺産分けが決まっているのであれば、それを遺産分割協議書の提出等により証明することで、また、二女Bさん・三女Cさんが、解約金を長女Aさんがいったん全額受け取ることに同意しているのであれば、それを一定の書類を提出することにより証明することで、金融機関は安心して解約してくれます。

また、モメそうであれば、遺言を作成して遺言執行者を指定しておいたりすれば、相続人全員の同意が無くても、解約手続きが可能となります。

相続人がいなければモメないから預金の解約も簡単?

Dさんが亡くなり、そのDさんには相続人の方がいないとします。

相続人の方がいなければモメようがないので、預金の解約は簡単なのでしょうか?

Dさんの療養看護につとめていた親族であるEさんが、Dさんの生前の医療費や公共料金等を自分のお金で支払い、また同様に葬儀も執り行ったので、その分のお金をDさんの預金から受け取ろうと、金融機関に足を運びました。

この場合、親族EさんがDさんの預金を解約できるかというと、解約できません。

相続財産清算人選任申立てをする

裁判所HP(一部抜粋)
相続財産清算人の選任
1. 概要
相続人の存在、不存在が明らかでないとき(相続人全員が相続放棄をして、結果として相続する者がいなくなった場合も含まれる。)には、家庭裁判所は、申立てにより、相続財産の清算人を選任します。
相続財産清算人は、被相続人(亡くなった方)の債権者等に対して被相続人の債務を支払うなどして清算を行い、清算後残った財産を国庫に帰属させることになります。
なお、特別縁故者(被相続人と特別の縁故のあった者)に対する相続財産分与がなされる場合もあります。

Dさんが特別縁故者として認められれば、家庭裁判所が選任した相続財産清算人から、お金を受け取ることができる可能性があります。

相続人がいないからこそ遺言を作成しておく

上記のような手続きをしなくても、Dさんが遺言を作成していれば、Eさんに財産を渡すことができ、Eさんはその中からお金を受け取ることができます。

Eさんを遺言執行者に指定しておきましょう。

Dさんが、ご自分の亡くなった後の各種支払いや、葬儀等を確実にEさんにやって欲しい、という場合には、「死後事務委任契約」も検討しましょう。

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財産が多い場合、相続税にもご注意を。