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相続税申告における公開空地の評価について

相続税専門税理士の富山です。

今回は、相続財産の中に、公開空地がある場合の評価方法について、お話します。

公開空地とは?

マンションなどを建築する場合、その敷地内に一定の空地を設け、日常一般に公開すれば、「総合設計制度」により容積率の割増しを受けて建物を建築することができます。

この場合の空地を「公開空地」と言います。

総合設計制度とは?

国土交通省HP(一部抜粋)
総合設計制度
500㎡以上の敷地で敷地内に一定割合以上の空地を有する建築物について、計画を総合的に判断して、敷地内に歩行者が日常自由に通行又は利用できる空地(公開空地)を設けるなどにより、市街地の環境の整備改善に資すると認められる場合に、特定行政庁の許可により、容積率制限や斜線制限、絶対高さ制限を緩和。

この総合設計制度は、建築基準法第59条の2に基づくものです。

公開空地があると建物を有利に建築することができる

建築基準法(一部抜粋)
(敷地内に広い空地を有する建築物の容積率等の特例)
第五十九条の二 その敷地内に政令で定める空地を有し、かつ、その敷地面積が政令で定める規模以上である建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がなく、かつ、その建蔽率、容積率及び各部分の高さについて総合的な配慮がなされていることにより市街地の環境の整備改善に資すると認めて許可したものの容積率又は各部分の高さは、その許可の範囲内において、第五十二条第一項から第九項まで、第五十五条第一項、第五十六条又は第五十七条の二第六項の規定による限度を超えるものとすることができる。

「その地域の環境の整備改善に結びつく公開空地を設置するのなら、建築規制を緩和してあげるよ」と建築基準法に定められているのです。

公開空地部分は相続税の申告対象?

公開空地部分は、入居者以外の方に勝手に使われることになります。

そうすると、土地所有者としては、その部分についてはもう財産的な価値はなく、市区町村に寄附した(もう自分の所有物ではない)ような感じになるかもしれません(実際には寄附するワケではないので、マンションの管理組合などが自腹で管理する必要があります)。

しかし、その公開空地があることにより、マンション等の容積率や建物の高さに係る規制の緩和を受け、通常の状態よりも有利な状態で建物が建築されていることを忘れてはいけません。

つまり、その公開空地部分も(建物は建っていなくても)建物を建てるために必要な敷地ですから、建物の敷地として評価対象(相続税の申告対象)となります。

想う相続税理士

こちらの記事もご参照ください。
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