【毎日更新】相続税専門税理士ブログ

道路との間に水路が流れている土地の相続税申告における評価方法

相続税専門税理士の富山です。

今回は、路線価が付されている道路と評価対象地との間に水路が流れている場合の相続税申告における評価方法について、お話します。


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水路の上に行き来するための橋がある場合

土地と道路との間に水路が流れている場合、そのままですと、道路からその土地に入ることができません。

そこで、市町村役場の許可を得て、その水路の上に橋を作り、その橋を通って出入りしていることが多いのではないでしょうか?

このような場合、次のように評価します。

その橋の部分も含めた土地として評価する

と言っても、あくまでも評価する土地の面積は、上記の図で言えば10m×10m=100㎡(その橋の部分の面積も評価対象に含められるワケではない)

ただし、間口距離は橋の幅(上記の図だと3m)、奥行距離は橋の長さ+評価対象地の奥行距離(上記の図だと5m+10m=15m)、このそれぞれの奥行距離・間口距離を元に奥行価格補正率・間口狭小補正率を適用する

不整形地補正率を計算する際の想定整形地は、橋の部分も含めて考える(上記の図だと10m×(5m+10m=15m)=150㎡)が、かげ地割合を計算する際の不整形地の面積には橋の部分は入らない、つまり、道に接していない状態の土地として不整形地補正率を計算する

水路の上に橋がない場合(道路から行き来ができない場合)

このタイトルの「水路の上に橋がない」というのは、勝手に手製の橋を作っている(板を渡している)場合も含みます。

つまり、市町村役場の許可を得ずに、仮設の橋を勝手に作っている場合です。

水路の上に橋を渡すためには、その水路の「占有許可」を取らなければなりません。

その許可を取っていないのであれば、違法な橋ですから、橋がないのと同じです。

想う相続税理士秘書

「道路から行き来ができない土地」「無道路地」と言います。

水路の上に橋がない土地も、無道路地として評価します。

無道路地として評価する場合も、まずは、上記の計算をします(不整形地として計算します)。

ただし、その場合の間口距離ですが、上記の計算では実際の橋の間口を用いました。

これは、占有許可が下りる間口であり、実際の間口だからこれでいいのです。

(間に水路を挟まず他人の土地がある)通常の無道路地の場合、間口距離を2mで計算します。

これは、建築基準法上の接道義務に基づくモノです。

でも今回は、通常の無道路地評価が仮定の通路を想定するのと異なり、仮定の橋を水路の上に作ることを想定します。

2mの幅の橋では占有許可が得られない場合もあります。

占有許可が得られる橋の幅で、間口距離を計算します。

このようにして不整形地補正率まで計算したら、通常の無道路地評価では「無道路地としてのしんしゃく」をします。

具体的に言うと、「路線価×想定通路部分の面積」「不整形地補正率まで適用した評価対処地の評価額×40%」のいずれか少ない金額をマイナスします。

その土地に出入りするためには、通路を設けなければならない、通路設置費用(通路分の土地の購入費用)がかかる、だから、通路部分の評価額をマイナスする、ということです。

この場合も同様に、「路線価×『橋部分』の面積」「不整形地補正率まで適用した評価対処地の評価額×40%」のいずれか少ない金額をマイナスしたいところなのですが、橋部分は土地ではないため、「路線価×面積」の価値はありません。

橋設置費用(見積額)をマイナスします(40%の上限は同様にあります)。

想う相続税理士

間口距離となる橋の幅は、水路の幅や深さ、道路の幅、用途(車が通るかどうか等)によって異なります。

また、橋設置費用(見積額)は時価ベースの金額であるため、相続税評価額ベースに引き下げてマイナスする、という考え方もあります。