【毎日更新】相続税専門税理士ブログ

賃貸物件は親が建てる?子が建てる?

相続税専門税理士の富山です。

今回は、土地活用のためにアパートなどの賃貸物件を建築する場合の、その建物の名義について、お話します。

想う相続税理士

一般的には、相続税対策のために土地活用をする場合、その土地の所有者の名義で賃貸物件を建築し、建築資金を借入することにより、賃貸物件の評価額と借入額(債務)とのマイナス差額で課税価格を減らすことが試みられますが(借入ではなく自己資金投入でも同じ効果有)、既に不動産所得が多く、土地活用により高い利益が予想されるようなお客様からのご相談を経験したため、想うところをお話します。

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最初に悩むのは固定資産税と相続税

評価額が高い更地の土地をお持ちの方は、毎年課税される固定資産税の金額の高さに嫌気がさしています。

アパート等の住宅を建てることで固定資産税の軽減措置の適用を受けられることを知り、また、賃貸物件の建築が相続税対策にもなることも知っていたので、居住用の賃貸物件を建てることを検討されます。

この場合、相続税対策をするのであれば、土地の所有者が建物を建てる必要があります。

相続税のことばかり考えると所得税が高くなる?

土地に係る固定資産税の軽減措置(「住宅用地に対する課税標準の特例」)の適用を受けることだけを考えるのであれば、建物の所有者は土地の所有者(親)ではなくてもOKです。

また、親の不動産所得が多い場合、新規物件の利益がさらにプラスされると、所得税の超過累進課税により、税負担率がさらに高くなります。

「税負担が高くたって、利益の中から税金を払えばいいんだから平気じゃない?」と思われるかもしれませんが、「利益計算」「収支計算」は違います。

借入金の返済もしなければならないのに、所得税が爆上がりすると、「収支」が結構きつくなります。

家賃を低税率で受け取るという発想

そのような場合、建物の所有者を「子」にするのも一つの手です。

子が親に比べて収入(正確には所得)が少なければ、新規物件の不動産収入を低税率で享受できます。

建物の所有者が家賃を得るからです。

建物の所有者が子ということになると、親の相続税対策にはなりませんが、親が既にかなり多額の借入をしていて、これ以上借入を増やしたりして対策をしても、(それほど)相続税の節税効果がない(純資産価額がゼロを超えてマイナスになってしまう)場合もあります。

純粋に土地活用と考えるのであれば、相続税の節税効果にこだわらず、子が建物を建てた方が良い場合もあるでしょう。

厳密には、所得の分散効果(所得税の軽減)と相続税の課税価格の減少効果(相続税の軽減)を比較する必要があります。

シミュレーションするのであれば、所得税については、対策をしてから相続が発生するまでの期間の所得が対象です。

想う相続税理士秘書

想う相続税理士

「売却(出口)」を意識することも重要です。

本当に納税が大変な場合には、金ピカな土地であれば、納税資金準備のための売却用に取っておく、という選択肢(賃貸物件を建築せず、固定資産税の負担に耐えながら、貸駐車場などにする)もあります。