【毎日更新】相続税専門税理士ブログ

遺言書で生命保険金の受取人を変更できる?

相続税専門税理士の富山です。

今回は、生命保険契約の受取人を遺言書で変更できるかどうかについて、お話します。


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保険契約に関する法律「保険法」をチェックする

社会経済情勢の変化に対応するため、商法に規定されていた保険契約に関する法制を見直し、保険契約者等を保護するための規定等を整備した「保険法」というものが、平成22年に施行されました。

それを見てみますと、

保険法
(遺言による保険金受取人の変更)
第四十四条 保険金受取人の変更は、遺言によっても、することができる。

とあります。

つまり、法律上遺言で受取人を変更することができるようになっている、ということです。

必ず変更できる?

ただし、保険会社が「遺言では生命保険金の受取人を変更することはできない」とする約定を設けている場合があります。

上記の44条1項は「任意規定」とされているため、保険契約当事者間の合意により、遺言による保険金受取人の変更を認めない、ということにするのは可能とされていますので、まずは保険会社との契約を確認してみましょう。

手続きのスピードも重要!

生命保険会社に相続人による変更の通知が到着する前に、変更前の受取人に生命保険金が支払われた場合には、その後に変更後の生命保険金の受取人から請求があっても、保険金は支払われないことになっています。

つまり、「早い者勝ち」です。

変更前の受取人に対して先に生命保険金が支払われないように、前もって生前に受取人を変更する内容の遺言書を保険会社に提出しておけば、変更後の受取人に支払ってもらえるのではないか、と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、この変更は次のように規定されています。

保険法
(遺言による保険金受取人の変更)
第四十四条
2 遺言による保険金受取人の変更は、その遺言が効力を生じた後、保険契約者の相続人がその旨を保険者に通知しなければ、これをもって保険者に対抗することができない。

「遺言が効力を生じた後」に通知する、ということになっているのです。

自分が先に亡くなるとは限らない!補充遺贈のススメ

こちらの記事にもあるとおり、遺言は遺言者が死亡しないと、その効力を生じませんので、ご注意を。

保険の手続きはスピーディーに!

想う相続税理士秘書

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遺言で生命保険金の受取人を変更する場合には、「遺言が法律上有効なものであること」「受取人の変更について契約者が被保険者の同意を得ていること」が要件となりますので、ご注意を。