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相続税専門税理士㊙カード29【代償分割を想定した生命保険契約】


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代償分割金の原資に生命保険金が有効な理由

生命保険金の法律的な性質

生命保険金は相続税の課税対象であるが、それは、相続税法において相続財産とみなされる(「みなし相続財産」である)ためであって、実は、受取人固有の財産であり、原則として、遺産分割の対象外である

ザックリ言うと、他の相続人がよこせと言えない財産である

仲が悪くなくても遺産分けが難しい場合がある

相続が発生した場合、財産の構成によっては、希望するような遺産分けができない場合がある

例えば、相続人が長男A・二男Bの2人の場合で、亡くなった父のご自宅の土地建物が相続財産の大部分を占めるような場合、そのご自宅を亡くなった父と同居していた長男Aが相続することになると、二男Bはほとんど財産を相続できないことになり、遺産分割協議が難航する恐れがある

受け取った生命保険金を代償分割金として渡す効果

このようなシチュエーションで、長男Aが生命保険金を受け取っていれば、代償分割金として、二男Bに現金(原資は生命保険金)を渡すことができる

長男Aが受け取った生命保険金が1,000万円、長男Aが二男Bに支払った代償分割金が1,000万円だとする

相続人は長男A・二男Bの2人であるため、「生命保険金の非課税限度額=500万円×2人(法定相続人の数)=1,000万円」を適用することができる

つまり、「長男Aが受け取った生命保険金1,000万円△非課税金額1,000万円=0円」となり、この生命保険金には相続税がかからない

そして、長男Aが二男Bに代償分割金1,000万円を支払うと、その1,000万円は、財産の金額からマイナスできる

つまり、ご自宅の土地建物の一部を二男Bに渡したかのごとく、長男Aの計算上の相続財産を減少させ、長男Aの相続税が安くなる

二男Bは長男Aから代償分割金1,000万円を受け取るが、これは、亡くなった父の相続財産を受け取ったかのごとく、二男Bの計算上の相続財産を構成し、二男Bの相続税が発生する

二男Bは相続税を負担することになるが、現金を取得できるので、文句を言わないハズ

長男Aは、ご自宅を丸々相続できる上に、非課税で受け取った生命保険金を代償分割金として支払うことで課税を減少させられるため、さらに文句を言わないハズ

そんな風にトクし過ぎる長男Aに対して二男Bが文句を言うかというと、そもそも生命保険金は遺産分割協議の対象外なので、文句を言えない

代償分割金は、元々長男Aが持っていた自己資金を充てることもできるが、今後の家族の生活等に関する資金計画等もあり、急に多額のお金を出す余裕がない場合もあり得る

そんな窮地に、相続の発生により臨時的に入ってきたお金(生命保険金)が、あなた(今回のケースであれば、長男A)を助けることになる

 ただし、代償分割金の支払に見合う本来の財産(今回のケースであれば、ご自宅の土地建物)の取得がないと、贈与税の課税リスクが生じるので注意