【毎日更新】相続税専門税理士ブログ

配偶者との死別や離婚が相続に与える影響とは?

相続税専門税理士の富山です。

今回は、配偶者と死別したり離婚した場合に、それが相続にどのように影響するか、ということについて、お話します。


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離婚したら相続人ではなくなる

配偶者は必ず相続人になります。

民法(一部抜粋加工)
(配偶者の相続権)
第八百九十条 被相続人(亡くなった方)の配偶者は、常に相続人となる。

離婚をすると、配偶者ではなくなります。

つまり、離婚相手が死亡した場合における相続権はありません。

配偶者は代襲相続人にはならない

ご夫婦が離婚していない場合において、妻側から見て「①配偶者(夫)」がお亡くなりになり、その後、その「②亡くなった配偶者(夫)の親御さん」がお亡くなりになった場合、「②その親御さん」の相続において、その「①亡くなった配偶者(夫)」の代わりに相続人となる方を「代襲相続人」と言います。

この場合、妻は夫の代襲相続人にはなりません。

夫婦の間にお子さんがいる場合には、そのお子さんが夫の代襲相続人になります。

そして、これは離婚した後に「①配偶者(夫)」が死亡した場合でも同様です。

死別しても特別寄与者になる?

民法(一部抜粋加工)
第十章 特別の寄与
第千五十条 被相続人に対して無償で療養看護その他の労務の提供をしたことにより被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした被相続人(亡くなった方)の親族(相続人、相続の放棄をした者及び第八百九十一条の規定に該当し又は廃除によってその相続権を失った者を除く。以下この条において「特別寄与者」という。)は、相続の開始後、相続人に対し、特別寄与者の寄与に応じた額の金銭(以下この条において「特別寄与料」という。)の支払を請求することができる。

上記の妻が「②亡くなった配偶者(夫)の親御さん」の介護をしていた、ということもあるでしょう。

それにより特別の寄与があった場合、「②亡くなった配偶者(夫)の親御さん」の相続において「特別寄与者」として特別寄与料の支払を請求することができる場合があります。

「特別寄与料の支払を請求することができるかどうか」は、妻が「②亡くなった配偶者(夫)の親御さん」「親族」に該当するかどうかで変わります。

民法(一部抜粋)
(親族の範囲)
第七百二十五条 次に掲げる者は、親族とする。
一 六親等内の血族
二 配偶者
三 三親等内の姻族

妻は、「②亡くなった配偶者(夫)の親御さん」から見ると「一親等の姻族」に該当し(姻族関係があり)、「親族」に該当します。

民法(一部抜粋)
(離婚等による姻族関係の終了)
第七百二十八条 姻族関係は、離婚によって終了する。
2 夫婦の一方が死亡した場合において、生存配偶者が姻族関係を終了させる意思を表示したときも、前項と同様とする。

上記1にあるとおり、離婚すると姻族関係はなくなります。

妻が(生前の)夫と離婚し、その後に「①夫」が亡くなり、さらにその後に「②夫の親御さん」が亡くなった場合、離婚した時点で「②夫の親御さん」との姻族関係はなくなります(親族には該当しなくなります)。

上記2にあるとおり、夫が死亡した場合において、妻が姻族関係を終了させる意思を表示した(具体的には「姻族関係終了届」を提出した)ときにも、「②夫の親御さん」との姻族関係はなくなります(親族には該当しなくなります)。

逆に言うと、姻族関係終了届を提出しなければ、「②夫の親御さん」との姻族関係はなくならないため、親族に該当し、特別寄与者として特別寄与料の支払を請求することができる、ということになります。

想う相続税理士

姻族関係終了届を提出した場合でも、その提出した時期により、特別寄与者として特別寄与料の支払を請求することができる場合があります。