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みなし配当課税の特例は、相続税が課税されないと適用できない!

相続税専門税理士の富山です。

今回は、相続により取得した非上場株式を発行会社に譲渡した場合のみなし配当課税の特例の要件について、お話します。

株を売ったら配当金が付いてくることがある

個人の方が非上場株式をその発行会社に譲渡して、お金を受け取った場合、その受け取ったお金については、「売却代金」として「譲渡所得」を計算し、所得税の確定申告をすればいいかというと、そうとは言えない場合があります。

「株主が会社からお金を受け取る」ということですから、「配当金をもらう」ということになる場合があるのです(全部ではなく一部です)。

ザックリ言うと、最初に出資した金額よりも、株式を譲渡して入ってきたお金が多い場合には、「会社が稼いだ利益を株主に配当してこなかったので、会社にお金が貯まっていたんですね。その貯まっていた配当部分を、株式を手放す際に受け取ったんですね。それなら『譲渡所得』ではなく『配当所得』です」と税務署に言われてしまう場合があるのです。

配当所得だと税率が高くなることがある

「別にどっちでもいいのでは?」と思われるかもしれませんが、「譲渡所得」「配当所得」では税率が違います。

この場合の「譲渡所得」「20.315%の固定税率」ですが、「配当所得」「総合課税」の対象になるため、所得の金額に応じた「超過累進税率」が適用されます。

所得が多い方だと、約50%の税率になる場合があります。

売りたくなくても売らなければならない場合もある

やむを得ず発行会社に株式を売却する場合もあります。

非上場株式を相続で取得したものの、相続税が高くて払えないため、発行会社に譲渡して納税資金を工面する、というようなケースです。

納税資金を工面しようとしているのに、約50%の税率が課税されたら、納税が大変ですよね!

そこで、発行会社に株式を譲渡する場合でも、相続で取得した株式を譲渡するのであれば、「みなし配当課税の特例」により、「全部譲渡所得でOK」になります(一定の要件有)。

相続税を課税されていなければ適用不可

上記のような趣旨から、この特例の適用を受けるためには、その方が「相続税を課税された方」であることが要件となっています。

「相続税が課税されていない=相続税の納税資金を準備する必要がない」ということですから、そういう方にまで特例を適用させる必要はない、ということです。

相続税を払うために株式を手放さざるを得ない方を救済するための特例ですから、相続税を払わない方は、対象外なのです。

想う相続税理士秘書

想う相続税理士

「今、会社に売るよりも、相続した後に売った方が、特例で手取りが良くなるからトクだ!」と思っても、そうならない場合がありますので、ご注意を。