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土地は生前に売却してしまったら申告しなくていい?

相続税専門税理士の富山です。

今回は、亡くなった方が生前に土地などを売却していた場合の注意点について、お話します。

相続税の課税対象になるモノとは?その金額は?

相続税の課税対象になるのは、

亡くなった方が亡くなった時に所有していた財産

亡くなった方が所有していなかったとしても、それを取得した方が財産を取得したのと同じような経済的利益を得られるモノ(例えば、死亡保険金など)

です。

そして、その金額は、基本的には、亡くなった日時点の時価で計算します。

財産評価基本通達(一部抜粋)
1 評価の原則
財産の価額は、時価によるものとし、時価とは、課税時期(相続、遺贈若しくは贈与により財産を取得した日若しくは相続税法の規定により相続、遺贈若しくは贈与により取得したものとみなされた財産のその取得の日又は地価税法第2条《定義》第4号に規定する課税時期をいう。以下同じ。)において、それぞれの財産の現況に応じ、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額をいい、その価額は、この通達の定めによって評価した価額による。

ということは、亡くなる前に売却した土地は、亡くなった日時点では所有していませんので、当然、相続税の課税対象にはなりません。

土地の売却は土地が無くなるだけではない

亡くなる前に土地を売却していれば、確かに、亡くなった日時点では土地はありません。

しかし、注意すべき点があります。

土地が無くなった代わりに、現金が増えているハズです。

所有していた土地が消えたのではなく、現金に姿を変えているのです。

土地が無くなったから相続税が安くなる、というワケではなく、代わりに現金に相続税が課税されます。

過去の預貯金の動きで所有していた財産は分かる

土地などの不動産や株式等の譲渡があった場合、確定申告をすれば、税務署はその売買の情報をキャッチできます。

確定申告をしなかったとしても、税務署に対して、法務局が不動産登記の内容を通知をしたり、金融機関が取引に係る支払調書を提出したりすることによって、その情報が伝わります。

税務署に申告もれを指摘されないように、生前における不動産や株式等の売却の有無を、また、売却があった場合にはその売却代金の行方を、きちんと確認する必要があるのですが、その際には、過去の預貯金の通帳や取引履歴が役に立ちます。

不動産を所有していたのであれば、固定資産税の引き落としがあるかもしれません。

株式等を所有していたのであれば、配当金の入金があるかもしれません。

それらが急に無くなったのであれば、売却した可能性があります。

売却代金の入金があれば、その後のお金の動きは通帳で追えますが、売却代金の振込が見当たらず、手元にもお金が残っていないのであれば、他の知らない口座に入金されているかもしれませんし、場合によっては、家族の名前で預金(名義預金)を積んでいたり、または、贈与をしているかもしれません。

想う相続税理士

申告もれの金額が大きいと、税務調査で指摘されたりした場合に、金額的なダメージも大きくなりますので、ご注意を。