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雑種地は必ず宅地ベースで評価するというワケではない

相続税専門税理士の富山です。

今回は、相続税申告における雑種地の評価について、お話します。

雑種地とは?

雑種地の定義について、まず財産評価基本通達を見てみます。

財産評価基本通達(一部抜粋)
7 土地の評価上の区分
地目は、課税時期の現況によって判定する。
(1) 宅地
(2) 田
(3) 畑
(4) 山林
(5) 原野
(6) 牧場
(7) 池沼
(8) 削除
(9) 鉱泉地
(10) 雑種地
(注) 地目の判定は、不動産登記事務取扱手続準則第68条及び第69条に準じて行う。ただし、「(4)山林」には、同準則第68条の「(20)保安林」を含み、また「(10)雑種地」には、同準則第68条の「(12)墓地」から「(23)雑種地」まで(「(20)保安林」を除く。)に掲げるものを含む

該当するものがなければ「雑種地」

上記条文の中に出てきた「不動産登記事務取扱手続準則」を見て見ます。

不動産登記事務取扱手続準則(一部抜粋)
(地目)
第68条 次の各号に掲げる地目は、当該各号に定める土地について定めるものとする。
この場合には、土地の現況及び利用目的に重点を置き、部分的にわずかな差異の存す
るときでも、土地全体としての状況を観察して定めるものとする。
(1) 田 農耕地で用水を利用して耕作する土地
(2) 畑(以下、「各号に定める土地」の部分を省略)
(3) 宅地
(4) 学校用地
(5) 鉄道用地
(6) 塩田
(7) 鉱泉地
(8) 池沼
(9) 山林
(10) 牧場
(11) 原野
(12) 墓地
(13) 境内地
(14) 運河用地
(15) 水道用地
(16) 用悪水路
(17) ため池
(18) 堤
(19) 井溝 田畝又は村落の間にある通水路
(20) 保安林 森林法(昭和26年法律第249号)に基づき農林水産大臣が保安林
として指定した土地
(21) 公衆用道路 一般交通の用に供する道路(道路法(昭和27年法律第180号)
による道路であるかどうかを問わない。)
(22) 公園 公衆の遊楽のために供する土地
(23) 雑種地 以上のいずれにも該当しない土地

簡単に言うと、他の地目の定義に当てはまらないものは、すべて「雑種地」になります。

雑種地の評価方法

雑種地の評価については、次のように定められています。

財産評価基本通達
82 雑種地の評価
雑種地の価額は、原則として、その雑種地と状況が類似する付近の土地についてこの通達の定めるところにより評価した1平方メートル当たりの価額を基とし、その土地とその雑種地との位置、形状等の条件の差を考慮して評定した価額に、その雑種地の地積を乗じて計算した金額によって評価する。
ただし、その雑種地の固定資産税評価額に、状況の類似する地域ごとに、その地域にある雑種地の売買実例価額、精通者意見価格等を基として国税局長の定める倍率を乗じて計算した金額によって評価することができるものとし、その倍率が定められている地域にある雑種地の価額は、その雑種地の固定資産税評価額にその倍率を乗じて計算した金額によって評価する。

「状況が類似する付近の土地」の単価をベースに計算します。

必ずしも宅地ベースで計算するワケではありません。

いつも市街化区域の雑種地を評価していると、雑種地を近傍宅地価額ベースで評価することに慣れてしまい、「雑種地は宅地ベースで評価する」という思い込みが生まれやすいので、ご注意を。

想う相続税理士秘書

宅地ベースで評価しない雑種地の具体的な評価方法

宅地ベースで計算する場合、造成費相当額を控除して評価します。

ザックリ言うと、評価対象地が原っぱ(雑種地)で、隣にある宅地(同じ形状・面積)が1,000万円の場合、その原っぱに50万円の造成費をかければ隣にある1,000万円の宅地と同じ価値になる、ということであれば、造成費を掛ける前(つまり現状)の価値は、
1,000万円△50万円=950万円
ということになります。

宅地ベースで計算しない場合には、逆に造成費を加算します。

例えば、「状況が類似する付近の土地」が農地であれば、その評価しようとする雑種地を(付近の農地の金額を参考にして)農地ベースで評価(例えば100万円)し、そこに造成費(20万円)を加算します。

農地を造成して今の雑種地の姿になっている、と考えれば、
農地ベースの評価額(100万円)+造成費(20万円)=今の雑種地の評価額=120万円
と考えられるのです。

想う相続税理士

造成費を加算する考え方については、下記もご参照ください。

財産評価基本通達
24-5 農業用施設用地の評価
農業振興地域の整備に関する法律(昭和44年法律第58号)第8条第2項第1号に規定する農用地区域(以下「農用地区域」という。)内又は市街化調整区域内に存する農業用施設(農業振興地域の整備に関する法律第3条第3号及び第4号に規定する施設をいう。)の用に供されている宅地(以下本項において「農業用施設用地」という。)の価額は、その宅地が農地であるとした場合の1平方メートル当たりの価額に、その農地を課税時期において当該農業用施設の用に供されている宅地とする場合に通常必要と認められる1平方メートル当たりの造成費に相当する金額として、整地、土盛り又は土止めに要する費用の額がおおむね同一と認められる地域ごとに国税局長の定める金額を加算した金額に、その宅地の地積を乗じて計算した金額によって評価する。