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贈与成立後の財産からの収入で構成されていれば名義預金ではない

相続税専門税理士の富山です。

今回は、相続人名義の貯金が名義預金とされなかった事例ついて、お話します。

受取人以外の方が掛金を負担していた個人年金はいつ贈与になる?

出典:TAINS(F0-3-191)(一部抜粋加工)
平18-08-14裁決
相続税法第6条《贈与により取得したものとみなす場合一定期金》第1項は、定期金給付契約(生命保険契約を除く。以下同じ。)の定期金給付事由が発生した場合において、当該契約に係る掛金又は保険料(以下「掛金等」という。)の全部又は一部が定期金受取人以外の者によって負担されたものであるときは、当該定期金給付事由が発生した時において、定期金受取人が、その取得した定期金給付契約に関する権利のうち当該定期金受取人以外の者が負担した掛金等の金額の当該契約に係る掛金等で当該定期金給付事由が発生した時までに払い込まれたものの全額に対する割合に相当する部分を当該掛金等を負担した者から贈与により取得したものとみなす旨規定している。

年金(定期金)の掛金を夫が負担していて、妻がその年金の受取人になっている場合、いつの時点で夫から妻への贈与があったかというと、それはその年金の給付事由が発生した時である、ということについて確認しています。

年金の入金は「収入」であり「贈与」ではない

2 本件郵便年金に係る契約の掛金等は、本件被相続人が負担したものと認めるのが相当であるところ、給付事由は■■■■に発生しているから、その時被相続人の妻Aは本件郵便年金に係る契約に関する権利を本件被相続人から贈与により取得したものとみなされることになる。
3 以上のことからすると、A名義貯金は、A自身の収入に帰属する本件郵便年金から蓄積されたものであるから、Aの固有財産であると認めるのが相当である。
A名義貯金は、本件被相続人からの相続財産ではないと認められる。

年金の給付事由の発生により、夫から妻への「定期金給付契約に関する権利」の贈与が成立しているので、その定期金(年金)は、妻の財産から生じる妻の収入であり、その妻の収入を元に形成された妻名義の貯金は、妻の財産であって、夫の財産ではない、ということです。

定期金に関する権利の評価はちょっと複雑です

上記の「定期金に関する権利」「定期金給付契約により、ある期間定期的に金銭その他の給付を受けることを目的とする債権」の税法上の名称です)の贈与が相続開始前3年以内だったりすると、生前贈与加算の対象となり、相続税の課税対象となります。

また、贈与時に無申告だったりすると、贈与税の期限後申告をする必要があったりします。

そのような場合には、「有期定期金」「無期定期金」「終身定期金」の種類に応じた評価が必要となります。

想う相続税理士

定期金に関する権利の評価をする場合には、その「種類」と、それに合わせて「何を聞かなければならないのか=評価に必要な数字は何か」を把握してから、金融機関に問合せをしましょう。