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相続税専門税理士による「相続預金の払戻制度」の記事に軽くツッコミ

スピードに問題あり

相続があると、相続人の方は、亡くなる直前の医療費や葬式費用の支払など、比較的多額のお金を用意する必要に迫られます。

亡くなった方の預金がたくさんあっても、死亡と同時に口座は凍結されて使えなくなります。

そうすると、手持ちのお金がない相続人の方は困ってしまうワケですが、上記の記事にもあるとおり、民法改正により、遺産分割協議が成立する前でも、相続預金の払戻しを受けることができるようになりました。

この払戻しには、家庭裁判所が絡むパターンと絡まないパターンの2種類があります。

絡まないパターンの方がラクそうですが、金額に限度額があるため、多額の払戻しを受けたい場合には、絡むパターンを選択することになるものと思われます。

家事事件手続法(一部抜粋)
(遺産の分割の審判事件を本案とする保全処分)
第二百条
3 前項に規定するもののほか、家庭裁判所は、遺産の分割の審判又は調停の申立てがあった場合において、相続財産に属する債務の弁済、相続人の生活費の支弁その他の事情により遺産に属する預貯金債権を当該申立てをした者又は相手方が行使する必要があると認めるときは、その申立てにより、遺産に属する特定の預貯金債権の全部又は一部をその者に仮に取得させることができる。ただし、他の共同相続人の利益を害するときは、この限りでない。

「家庭裁判所で手続きしている時間的余裕はない、金額が少なくてもいいから早く現金が欲しい」という方は、家庭裁判所が絡まないパターンを選ぶことになりますが、一般社団法人全国銀行協会のチラシには、次のように書かれています。

制度利用には、所定の書類が必要となります(裏面)。書類を頂いた後、相続預金の払戻しまでには、内容の確認等のため一定の時間を要します。
また、遺言相続のためこれらの制度を利用できない場合などもありますので、お取引金融機関にお問い合わせください。

こちらもすぐにお金を受け取れるとは限らなそうです。

現実的な対応はどうなっている?

相続があると口座が凍結される、ということは、皆さん結構ご存知ですから、ご病気の進行等により「亡くなるかもしれない」と思った時点で、預金からお金をおろして手元に置いておく、という対応を取られる方が多いです。

この場合、「お葬式の費用に使ったんだから、おろした分は申告しなくていいんでしょ?」とおっしゃる方がおられるのですが、亡くなった時点では、まだ使わず、お手元にあったワケですから、「現金」という相続財産として申告する必要があります。

そして、それとは別に「債務控除」の一環として、葬式費用のうち一定の金額を相続税の計算上、プラスの財産から控除します。

生命保険を活用する

生命保険会社の中には、「即日支払サービス」を提供しているところがあります。

通常に比べ、かんたんな書類を提出するだけで、早ければその日に振り込んでもらえます(現金を持参してくれる生命保険会社もあります)。

想う相続税理士

多額の支出に対応できるようにしておきましょう。