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相続空き家の特例の令和5年度税制改正による改正点

相続税専門税理士の富山です。

今回は、相続空き家の特例の改正について、お話します。

相続空き家の特例とは?

亡くなった方がお一人で住んでいた、つまり、その方が亡くなることにより空き家になったご自宅やその敷地を、相続で取得した後に売却した場合、その売却(益)には税金がかかるのですが、一定の要件に該当すれば、その税金を計算する際、売却益(譲渡所得)から3,000万円を控除する(売却益が3,000万円ならゼロ)ことができます。

この制度を、相続空き家の特例(「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」)と言います。

耐震基準を満たす・更地にするタイミングの改正

改正前の取扱いにおいては、その自宅建物を残したまま売却する場合、「譲渡の時において一定の耐震基準を満たすものである」ことが要件となっているため、相続で取得した方が一定のリノベーションをする必要があり、もしそれをやらないのであれば、「相続または遺贈により取得した被相続人居住用家屋の全部の取壊し等をした後に被相続人居住用家屋の敷地等を売る(更地にしてから売る)」ことが要件となっていました。

これが改正により、

令和5年度税制改正(一部抜粋)
当該被相続人居住用家屋が当該譲渡の時から当該譲渡の日の属する年の翌年2月15日までの間に次に掲げる場合に該当することとなったときは、本特例を適用することができることとする。
イ耐震基準に適合することとなった場合
ロその全部の取壊し若しくは除却がされ、又はその全部が滅失をした場合

となります。

つまり、「耐震基準を満たす建物にする」「更地にする」のは、売った後(翌年の確定申告の提出期間前まで)でもいい、ということです。

買主が必ず翌年の2/15までに一定のリノベーションをする、または、建物を取り壊して更地にする、という約束で売買契約を結ぶ必要があるモノと思われます。

想う相続税理士秘書

3,000万円特別控除額の改正

改正前の取扱いにおいては、相続で取得した空き家を売却して儲けが出ても3,000万円までは非課税であり、さらに言うと、この3,000万円は「1人当たり」の金額なので、相続人3人の共有により相続した自宅を売却した場合、3,000万円×3人=9,000万円まで非課税枠が拡大します。

これが改正により、

令和5年度税制改正(一部抜粋)
相続又は遺贈による被相続人居住用家屋及び被相続人居住用家屋の敷地等の取得をした相続人の数が3人以上である場合における特別控除額を2,000万円とする

となったため、3人の場合には6,000万円(=2,000万円×3人・改正前なら3,000万円×3人=9,000万円)、4人の場合には8,000万円(=2,000万円×4人・改正前なら3,000万円×4人=1億2,000万円)となります。

想う相続税理士

上記の改正は、令和6年以降の譲渡からの適用となり、令和9年まで延長されます。