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相続人の中に認知症の方がいると遺言があっても無意味?

想う相続税理士

相続税専門税理士による「相続人が認知症」の記事に軽くツッコミ!

相続人の中に認知症の方がいるとそのままでは遺産分割協議が不可能

相続が発生し、その方の財産について遺産分けをする場合、遺言がなければ、相続人全員で遺産分割協議を行うことになります。

遺産分割協議は、法律行為であるため、相続人の方が全員、意思能力を有している必要があります。

亡くなった方の配偶者の方が、認知症を患っている等の理由により、意思能力を有していない場合には、遺産分割協議が成立しません。

配偶者の方に限らず、相続人の中に意思能力を有していない方がいる場合も同様です。

意思能力を有していない相続人の方に、上記の記事に登場する成年後見人をつけることにより、遺産分割協議が可能となりますが、「可能となる」というのは「相続人の方々の意向に沿った遺産分けができる」という意味ではありません。

遺言があれば遺産分割協議は不要

上記で、「遺言がなければ、相続人全員で遺産分割協議を行うことになります」とお話しました。

ということは、遺言があれば、遺産分割協議をせずに、遺産分けをすることができる、ということです。

遺言があると、遺産分けが必ず遺言の内容のとおりになる、というワケではありません。

相続人全員の同意があれば、遺言の内容と異なる遺産分けをすることができます。

また、遺言による財産の取り分が少ない相続人の方が、取り分の多い方に「遺留分侵害額の請求」をした場合、取り分の多い方は取り分の少ない方にお金を払うことになるため、取り分が多くても、出ていくお金が発生します。

想う相続税理士秘書

遺言が無意味というワケではない!

上記の記事には、遺言があっても、そのとおりに遺産分けできなかった、という事例がありますが、これを「相続人の中に認知症の方がいる場合、遺言を作成しても効果なし」と捉えてはいけません。

この事例では、認知症の配偶者の方(お母様)に成年後見人がついていたため、お母様の代わりに成年後見人が遺留分侵害額の請求をしたのであり、成年後見人がついていなければ、そのような展開にはなりません(認知症になったら、必ず成年後見人をつけなければならない、というワケではありません)。

とはいえ、そのお母様の財産の所有状況等によっては、成年後見人をつけざるを得ない場合もあるかと思います。

それでも、記事にもありますが、遺言がない場合だと、成年後見人はお母様の取り分として遺留分を超える法定相続分を請求するでしょうから、成年後見人がついている場合でも、遺言は有効です。

想う相続税理士

このような場合の遺言作成の場合には、遺言執行者を指定しておきましょう。