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相続税対策の贈与はできるだけ早めに着手した方がいい理由

想う相続税理士、富山です。

今回は、生前贈与について、お話します。

財産が移転しただけでは贈与は成立しない

贈与は「あげますよ」「もらいますよ」という双方の意思の合致がないと成立しません。

子供が、親の預金口座から勝手にお金を引き出して自分の口座に入れても、贈与にはなりません。

親は「あげますよ」と言っていないからです。

親が「あげますよ」と意思表示できなくなった場合、贈与は成立しません。

例えば、認知症を患ったりして意思能力がない状態になった場合には、その方からの贈与というのはあり得ない、ということになります。

「あげますよ」と意思表示できないからです。

相続税対策として生前に財産を贈与により移転したい場合には、高齢化や病気の進行などによる意思能力の低下に注意する必要があります。

つまり、早めに贈与した方がリスクが少ない、ということです。

回数を稼ぐためには?

一般的な贈与である暦年課税贈与は、年間110万円の非課税枠があり、この枠内に収まるように贈与すれば、贈与税はかからない、ということになります。

また、この非課税枠を超えた贈与をした場合には贈与税がかかりますが、贈与税は超過累進税率であるため、贈与の金額が大きくなればなるほど、贈与税の税率も高くなります。

逆に言えば、贈与の金額を小さくすれば、低い税負担で財産を移転することができます。

ということは、同じ財産を移転するのでも、1回で移転しようとすると、高い贈与税がかかりますが、何回かに分けて贈与すれば、1回あたりの贈与の金額が小さくなりますので、各贈与に係る贈与税が少額となり、トータルで低い税負担で財産が移転できる、ということになります。

この何回かに分ける「小分け贈与」で効果を出すためには、回数を稼がなければなりません。

しかし、1年間の非課税枠は110万円と決められているので、年単位で何回も小分けにする必要がある、ということです。

贈与の回数を増やすためには、早めに贈与を開始する必要がある、ということです。

財産の金額は変動する、チャンスを逃さない

例えば、財産の中に同族会社の株式がある場合、会社の業績が良いと株価も高くなり、相続が発生した時の相続税も多額になりがちです。

そのため、将来の後継者に会社の株式を生前に贈与したりするのですが、株価が高ければ、「小分け贈与」をせざるを得ません。

この場合、会社の株式であるため、その年その年の会社の業績などにより、株価が大きく変動することがあります。

安い株価の時であれば、沢山の株数の株式を移転することができます。

しかし、急にやろうとしても難しいです。

毎年、業績と株価を見ながら少しずつ贈与していれば、今後の会社の概況などから、株価が上がるか下がるかはある程度、予想がつくはずです。

株価が安いと思ったら、いつもより多めの株数で贈与するのです。

逆に業績が良かったりして株価が高い場合には、移転させる株数を抑え目にします。

これを可能にするためには、早めに「小分け贈与」を開始しておく必要があります。

それも、ある程度の計画性をもって進め、その計画期間の中で、毎年毎年の贈与株数を調整しながら、たくさん動かせる時にはドンと移転するのです。

想う相続税理士

相続税対策として贈与する場合には、まず相続税の試算をすることをお忘れなく。