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意外と知らない相続税が「かかる場合」「かからない場合」

想う相続税理士、富山です。

今回は、相続税の「かかる」「かからない」についてお話します。

相続税は誰にかかる?

相続税は、相続の発生により、財産を取得した方にかかる税金です。

財産を取得しなければかからない

相続人であっても、財産を取得しなければ相続税はかかりません。

精算課税なら話は別

相続の発生前にしか財産を取得しなくても、相続税がかかる場合があります。

それは、「相続時精算課税制度」による贈与があった場合で、その贈与財産は、相続税の課税対象となります。

この制度は、一定額まで贈与税の課税対象としない代わりに、相続税の課税対象とする、という制度です。

想う相続税理士秘書

モメた場合も話は別

申告期限までに遺産分けの話し合いがまとまらなかった場合、まとまらないということは、財産の取得者が決まっていない、ということですから、財産を取得していないように思われるかもしれませんが、共有で取得していることになります。

ですから、自分の手許に財産が来ていなくても、相続税の課税対象となります。

相続発生後のお金の負担を考慮してもらえる!

亡くなった方が持っていた財産に対して相続税が課税されるのですが、相続人が引き継ぐのは土地や預貯金などのアリガタイ財産だけではありません。

債務

借入金や亡くなった方がまだ支払っていない税金などの債務も、負担しなければなりません。

葬式費用

その方が亡くなったことによりお葬式をあげる必要も出てきます(葬式費用がかかります)。

つまり、財産を取得するのと同時に負担すべきお金も出てくるワケです。

相続税を財産だけに課税する方式にしてしまうと、借入金などを多く相続した場合には、相続税が払えなくなってしまいます。

そこで、財産から借入金や未払の税金などの「債務」「葬式費用」を差し引いた額に対して、相続税を課税することにしています。

生前の贈与にも相続税がかかる場合がある!

驚かれるかもしれませんが、生前に贈与した財産に対しても相続税が課税される場合があります(さっきちょっとお話した、相続時精算課税制度による贈与以外にも)。

3年以内の贈与が対象

相続の発生により亡くなった方の財産を取得した方は、その相続開始前3年以内に、その亡くなった方から贈与により取得した財産がある場合は、その財産に対して相続税が課税されます。

つまり、「亡くなりそうだから、亡くなる前に贈与をして、相続財産を減らしてしまおう」という考えは通用しないということです。

計算上は、贈与していないものとみなされて、相続税が課税されるということです。

「贈与は毎年110万円まで税金がかからない」というような話を聞いたことがある方も多いと思いますが、相続の発生により亡くなった方の財産を取得している場合には、その方からの贈与で相続税がかからないのは、3年を超えた分だけということになります。

この場合の3年以内の贈与は、110万円とかという金額は関係ありませんので、10万円の贈与であったとしても、相続税の対象となります。

生活費などは対象外

ただし、その贈与が親子など扶養義務者からの生活費や教育費に充てるために通常必要と認められる贈与である場合には、そもそも贈与税の課税対象となりません。

3年以内の贈与を課税対象とする条文上、「贈与税の課税価格計算の基礎に算入されるものに限る」ということになっているため、こういった生活費などの場合には、3年以内の贈与であったとしても相続税は課税されません。

相続の発生により財産を取得しなければ対象外

この3年以内贈与を相続税の課税対象にするのは、相続の発生により亡くなった方の財産を取得した方にのみ適用されます。

相続の発生により亡くなった方の財産を取得していない場合には、3年以内の贈与に相続税は課税されません。

例えば、長男と次男が相続人で、二人とも毎年110万円の贈与を受けていて、3年以内だとそれぞれ合計330万円ずつ贈与を受けているとします。

相続の発生により、長男は財産を取得し、次男は財産を取得しなかったとします。

この場合には、その長男の生前贈与330万円は相続税の課税対象となりますが、次男の生前贈与330円は相続税の課税対象とはならない、ということになります。

想う相続税理士

次男はそもそも相続の発生により財産を取得していないので、一番最初の「相続税は誰にかかる?」でお話したとおり、相続税がかからず、相続税が関係ない人となるため、生前の贈与に相続税が影響しないこととなります。