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【税理士が解説】相続税はいくらからかかる?

相続税専門税理士の富山です。

今回は、相続税がかかる場合というのは、財産がいくら以上ある場合なのか?ということについて、お話します。

相続税には全財産に対する非課税枠がある!

相続があった場合、すべての遺族が相続税を払わなければいけない、というワケではありません。

国税庁の発表によると、亡くなった方に占める相続税の申告書が提出された割合は、令和2年分で8.8%となっています。

つまり、10人お亡くなりになった場合、9人の方のご遺族には、相続税は関係ない、ということなのですが、それは「財産」が一定金額以下であることにより、相続税の申告・納税が免除されている、ということです。

この場合の「財産」は、「正味の財産」であり、一定の債務や葬式費用を控除し、一定の生前贈与財産の金額を加算したりして求めます。

いくらから免除されるかというと、「遺産に係る基礎控除額」という非課税枠があり、次の算式で計算されます。

3,000万円+600万円×法定相続人の数

つまり、法定相続人の数によって、いくらからかかるか、というのは変動する、ということです。

想う相続税理士

養子の方がいる場合、この法定相続人の数に何人カウントするかは、条件により制限があります。

遺産に係る基礎控除額を超えても相続税がかからない場合がある!

上記でお話したとおり、正味の財産が遺産に係る基礎控除額を超えると、相続税が計算されます。

しかし、この計算された相続税を、必ず納めなければならないか、いうと、実は、そうではありません。

所得税の確定申告の住宅ローン控除のように、相続税にも税金の控除があるのです。

一番控除額が大きいのは、「配偶者の税額軽減」というものです。

配偶者の方が取得した財産については、法定相続分、または、1億6,000万円のいずれか多い金額まで非課税となるため、配偶者が取得した正味の財産が1億6,000万円以下であれば、配偶者の相続税はゼロになります。

その他、

相続人の方の年齢に応じて「未成年者控除」「障害者控除」が適用できたり、
相続税の課税対象となった生前贈与財産がある場合に、相続税と贈与税の両方が課税されないよう、贈与の時に払った贈与税を相続税から控除したり(「贈与税額控除」)、
10年以内に連続して相続があった場合の税負担を軽減する意味合いから、前回払った相続税の一部を相続税から控除したり(「相次相続控除」

など、いろいろな控除があります。

つまり、遺産に係る基礎控除額を超えたことにより相続税が発生しても、その発生した相続税をこれらの控除によりゼロにすることができれば、相続税がかからないのです。

遺産に係る基礎控除額以上の財産があっても相続税が発生しない場合もある!

相続税には全財産に対する非課税枠がある、とお話しましたが、個別の財産についての非課税枠もあります。

死亡保険金や死亡退職金については、

500万円×法定相続人の数

の非課税枠があります。

例えば、法定相続人の数が3人の相続で、死亡保険金と死亡退職金を、それぞれ3,000万円ずつ、合計6,000万円受け取ったとします。

3人の場合の全財産に対する非課税枠は、

3,000万円+600万円×3人=4,800万円

です。

死亡保険金と死亡退職金の合計額が、この非課税枠を超えていますが、それぞれに個別の非課税枠を適用することにより、

死亡保険金:3,000万円△(500万円×3人)=1,500万円
死亡退職金:3,000万円△(500万円×3人)=1,500万円
合計:3,000万円

となり、全財産に対する非課税枠以下となることから、相続税は全くかからない、ということになります。

この他、弔慰金などについても、非課税の規定があります。

想う相続税理士秘書

想う相続税理士

「相続税はいくらからかかるか」というのが法定相続人の数から分かっても、全財産をきちんと把握し、その財産を正しく評価しないと、その非課税枠を超えるかどうかは分かりません。

相続税がかかるのに、かからない、と間違って判断しないよう、税理士にご相談を。