【毎日更新】相続税専門税理士ブログ

法定相続情報一覧図が間違っていたせいなので無申告加算税が課されなかった事例

相続税専門税理士の富山です。

今回は、間違った法定相続情報一覧図が作成されたことが、相続税の申告が遅れたことについての「正当な理由」として認められ、無申告加算税が課税されなかった事例について、お話します。


相続税専門税理士に任せてスッキリ!
相続税専門税理士が直接対応
事前予約で土日祝日夜間対応可能
明確な料金体系+スピード対応
大手生命保険会社様で相続税・贈与税に関するセミナー講師の実績有(最近の実績:令和5年11月・令和5年12月・令和6年2月)

または はこちらから


法定相続情報一覧図とは?

亡くなった方が所有していた財産の相続手続き(不動産の相続登記、預貯金の解約・名義変更等)や、相続税の申告の際には、亡くなった方の相続人を明らかにするために、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本等を用意する必要があります。

提出先が複数ある場合、原本を返してもらえるとしても、手続きが完了して返ってくるまで時間がかかるため、次の提出先での手続きが進まない、じゃあということで同時進行できるように提出先の数だけ戸籍謄本等を取得すると、結構お金がかかる、ということで大変です。

提出先が少なくても、出生から死亡までの戸籍謄本等となると部数が多くなることがあります。

そこで、上記の戸籍謄本等を元に、法務局にて「法定相続情報一覧図」という(家系図のような)(相続人が誰だか分かる)モノを作成すると、その法定相続情報一覧図1枚だけで、相続手続きが可能となりました(平成29年から)。

当初は間違った法定相続情報一覧図が発行された!

出典:TAINS(F0-3-854)(一部抜粋)
令04-06-16裁決

法務局出張所の登記官は、請求人を本件相続に係る相続人から除外した誤った内容の初回法定相続情報一覧図写し(本件初回一覧図写し)を発行して

相続開始日から約8月後の令和3年2月5日に請求人を本件相続に係る相続人から除外した本件初回一覧図写しが交付された

令和3年4月21日に至って請求人を本件相続に係る相続人とする正しい内容の法定相続情報一覧図写し(本件一覧図写し)が発行された

裁決書を読むと、当初、既に亡くなっていた養子の代襲相続人(代わりに相続人となった人)の方が、相続人に該当しないとして、その方を除いて法定相続情報一覧図が作成され、その後、間違いに気付いた職員の方がいて、その代襲相続人の方を含めた法定相続情報一覧図が交付された(それも相続税の申告期限を過ぎた頃に、と思われます)ということのようです。

間違った内容の法定相続情報一覧図が発行された、という事実にビックリしました!

想う相続税理士秘書

「正当な理由」があって申告が間に合わなかったとされた

請求人が、本件初回一覧図写しの記載内容のとおり、自己が本件相続に係る相続人に該当しないと判断して相続税の申告書を法定申告期限内に提出しなかったとしても、それには無理からぬ面があり、真に請求人の責めに帰することのできない客観的な事情があり、無申告加算税の趣旨に照らしても、なお、これを課することは不当又は酷というべきであるから、期限内申告書の提出がなかったことについて通則法第66条第1項ただし書に規定する「正当な理由があると認められる場合」に該当するというべきである。

国税通則法第66条《無申告加算税》の中で、「期限内申告書の提出がなかったことについて正当な理由があると認められる場合は無申告加算税を課さない」と規定されています。

今回の事例はそれに該当する、とされました。

想う相続税理士

「代襲相続人の方を相続人とする正しい内容の法定相続情報一覧図が発行された日」「その方が相続の開始があったことを知った日」となる旨の主張は退けられました。