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相続における借金の取扱いに注意!

想う相続税理士、富山です。

今回は、借金がある場合の相続についての注意点についてお話します。

借金を引き継ぐと相続税が安くなる

亡くなった方に借金がある場合、その借金を相続人の誰が引き継ぐか、相続人全員における遺産分けの話し合いにおいて決めて、遺産分割協議書にその旨を記載します。

具体的には、「この借金については誰々が負担する」というように記載します。

相続税の申告においては、その借金を負担すると決まった相続人については、預貯金や不動産などのプラスの財産から、その借金の金額を控除(債務控除といいます)して、財産の取り分を計算することができます。

例えば、ある相続人が、1,000万円の預金を相続し、400万円の借金を引き継ぐ場合、その相続人は、1,000万円の預金の中の400万円の預金を使って、400万円の借金を返済するでしょう。

返済した後に残るのは、1,000万円-400万=600万円の預金ですから、この相続人については、実質的に600万円の財産を相続したものとして、相続税を計算します。

1,000万円の預金だけを相続するのに比べ、相続税が安くなります。

銀行はお金を返してもらえるか心配している

このように、相続人間における遺産分けの話し合いによって借金の負担者を決める訳ですが、実はこの借金の負担者の決定は、銀行などの借入先(債権者)には通用しません。

どういうことかというと、亡くなった方の借金というのは、各相続人に、その法定相続分の割合に応じて引き継がれることになっているからです。

銀行は、きちんとお金を返してもらわなければ損してしまいますから、確実にお金を返してもらいたいと思った場合には、借金を負担すると決まった相続人以外の相続人に対しても、その法定相続分相当の借金の返済を求めてきます。

その時に、遺産分割協議書における借金の負担者の決定について説明しても、銀行は相手にしません。

借金というのは、借りた側(今回でいえば亡くなった方)と貸してくれた側(銀行などの債権者)の双方の関係性の上に成り立っています。

銀行はその亡くなった方を信用してお金を貸した訳です。

今回の相続により、その借金を引き継いだ方が信用できるかどうか、きちんとお金を返してもらえるかどうかというところは、当然チェックします。

例えば、亡くなった方の財産が換金性に乏しく、相続人もあまりお金を持っていないというような場合には、銀行は貸したお金がきちんと返ってくるのかどうかを心配します。

借金がある場合に検討すべきこと

亡くなった方に借金がある場合には、どうすればいいのでしょうか?

銀行が返済について心配しなければ、何も言ってきません。

借金を引き継ぐ相続人が、ちゃんとお金を返してくれさえすれば、銀行には何の問題もありませんから。

ただし、借入金の金額が大きい場合など、返済について、銀行に心配されそうな場合には、次のようなことを検討しましょう。

借金の相手
に事前に
話を通す

相続税の申告をした後に、銀行に「前もって相談してくれなければ困る!」などと言われることがないように、前もって、誰が新しい債務者(借金の負担者)になる予定かを銀行に伝えておく(相談しておく)ようにしましょう。

借金の引き継ぎをスムーズに行うために有効です。

何にも
相続しない
負担しない
相続人は
家庭裁判所
で相続放棄
の手続きを
する

預貯金や不動産などのプラスの財産を全く相続しない、そして、借金についても全く負担しない、そういう相続人の方は、相続放棄をするのも1つの手です。

家庭裁判所で相続放棄の手続きをきちんと済ませれば、借金について、銀行から法定相続分についての返済を求められることはありません。

想う相続税理士

相続放棄は、他の相続人や親族の相続に影響を及ぼしますので、ご注意ください。

また、手続きの期限(亡くなってから3ヶ月以内)等にもご注意を!