【毎日更新】相続税専門税理士ブログ

「配偶者居住権」を取得できない建物もあるので注意

想う相続税理士

民法改正により創設された「配偶者の居住権」についてのお話です。

相続税専門税理士に任せてスッキリ!
相続税専門税理士が直接対応
事前予約で土日祝日夜間対応可能
明確な料金体系+スピード対応
大手生命保険会社様で相続税・贈与税に関するセミナー講師の実績有(最近の実績:令和5年11月・令和5年12月・令和6年2月)

または はこちらから


「配偶者居住権」と「配偶者短期居住権」がある

想う相続税理士

新設された配偶者の居住権は、「配偶者居住権」「配偶者短期居住権」の2種類ありますが、その取扱いは異なります。

ここでは、まず「配偶者居住権」についてお話していきます。

「配偶者居住権」って何?

「相続があった時に、そのお亡くなりになった方の配偶者が住んでいた建物の全部について、配偶者が、タダで住んだり、自分の商売に使ったりできる権利」のことです。

自分で使う分には、その建物全部を自由に使える、ってことです。

想う相続税理士

第三者に貸す場合には注意

想う相続税理士

自分ではなく、第三者に使わせる場合には、建物の所有者の承諾が必要です。
「居住するための権利」を与えられているんだから、そこに住めればとりあえずいいんじゃない?

自分の商売だって、別にできなくてもいいと思うけど、あっ、でも、生活するための糧をそこで得られるようにしてあげるための権利を与えるっていうのはいいかもしれない。

家で仕事しやすいようにするのはいいと思うから、「タダで住んだり、自分の商売に使ったり」はできてもいいと思うけど、第三者に貸す権利までは、与えなくてもいいんじゃない?

想う相続税理士

この「配偶者居住権」には、相続税がかかるんですよね。

相続税を払って、手に入れる訳です。

まあ、実際のところ、配偶者は特例により相続税がかからないことが多いですが、「配偶者居住権」が相続税の課税対象になること自体は変わりありません。

だから、そうやって税負担をして、また、自分の相続分(相続の時の取り分)の一部を使って(取り分が決まっていれば、「配偶者居住権」の分だけ他の財産が相続できない訳ですよね)、手に入れているんだから、その負担を取り戻せるように、その手に入れた権利を元に、他人に貸してお金を稼いだりすることができるようにしてあげましょう、ってことなんです。

ちなみに、その建物の固定資産税なんかは、配偶者が負担することになっています。

民法第1034条 配偶者は、居住建物の通常の必要費を負担する。

それだったら、まあその建物でお金を稼げるようにしてあげてもいいかな、って感じがしませんか?

でも、自分で住むのが原則ですから、建物の所有者の承諾を得るのが要件になっている、ということです。

想う相続税理士

「配偶者居住権」を取得できない建物もある

想う相続税理士

「そのお亡くなりになった方」「その配偶者」以外の方が、その建物の所有者に名を連ねている場合(共有で持っている建物ってことですね)には、「配偶者居住権」は取得できません。

「お二人以外の所有者」の方の権利を無視して、その配偶者が全部建物を自由に使っていい、ってことにする訳にはいかないですからね。

ということは、配偶者居住権を取得できるのは、「お亡くなりになった方が100%所有している建物」「お亡くなりになった方とその配偶者が夫婦共有で所有している建物」のどちらかの場合に限定される、ということになります。