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相続税対策で失敗しないために注意すべき5つのポイント

公正証書遺言さえ作っておけば完璧と思っている人はアマい


想う相続税理士

「遺言を作っていれば、遺産分けのトラブルを解消できる」とお考えになるかもしれませんが、遺言はお亡くなりになってからの話。

 

生きている間の財産の管理に支障をきたすことを想定していますか?

 

公正証書遺言はそれには対応できません。

 

認知症などにより判断能力が十分でないとされた場合には、財産の処分などができなくなり、それにより不利益を被る場合があります。

 

そこで、財産の処分などをする場合には、「その人の代わりの人」を選ぶ必要があるのです。

 

それが「後見人」です。

 

その後見人には、「法定後見人」「任意後見人」がいます。

 

前もって準備をしておかないと、「任意後見人」は選べませんよ。

 

「法定後見人」になると大変なこともありますよ。

 

その辺りをきちんと知っておかないと大変ですよ!

遺産分けが
心配なら
公正証書遺言

公正証書遺言があれば、遺留分の問題があるにしても、自分の考え通りに財産を分けることができるので安心です。

でも、「公正証書遺言があれば完璧!」と思うのは大間違いです。

公正証書遺言が役に立つのは、遺言者(遺言を作った方)がお亡くなりになった時です。

お亡くなりになるまで、遺言者がお元気で、意思能力がしっかりしているのであれば問題ありませんが、認知症などになった場合には、財産の処分などができないため(意思能力がない、「判断」できない人の財産は、その人が「処分していい」と言えっこないんですから、法務局は名義を変えてくれません)、財産の管理がフレキシブルにできないため、損をしてしまうことも予想されます。

ピンチの
時に登場
するのが
法定後見人
(成年
後見人)

その場合に登場するのが、「法定後見人(成年後見人)」です。

法定後見人は、家庭裁判所に選任してもらいます。

この法定後見人に、親族や知り合いの弁護士、司法書士が選任されれば、そのご一家(親族)の意向に沿った財産の管理や処分ができます。

法定後見人をそういう人にして欲しい、という希望を伝えることはできます。

しかし、財産が多かったり、トラブルが予想される場合には、全く第三者の弁護士や司法書士が選任されることがあります。

親族はどう感じるでしょうか?

見ず知らずの人が自分の親の財産を管理するのです。

この法定後見人は、その家族の実情に沿って財産を管理するのではありません。

それによって問題が起きた場合には、自分の責任になってしまいますからね。

自分に責任が降りかからないような財産の管理をすることになります。

その上、法定後見人には、毎月報酬も支払わなければなりません。

後見制度
支援信託
というもの
がある

「後見制度支援信託」とは、日常の生活に必要なお金などについては成年後見人が管理し、それ以外の財産を信託銀行などに信託するものです。

1,000万円以上の流動資産がある場合に家庭裁判所が勧めてきます。

これは、第三者の弁護士や司法書士が成年後見人になった場合に限らず、親族が成年後見人になった場合でも同様です。

実は、成年後見人による財産の使い込みなどの問題が発生しています。

そのような不正行為を防止する制度として、「後見制度支援信託」は有効だと言われているんです。

これが設定されると、その信託財産は、家庭裁判所の指示がないと解約などができなくなります。

つまり、成年後見人の使い込みが防げるということです。

しかし、親族にとっては、お金が凍結される、ということを意味します

前もって
選んで
おける
任意後見人

これを防ぐにはどうすればいいかというと、「任意後見人」を選任するのです。

「自分が認知症になったら、誰々を任意後見人にする。その者に財産管理権限等への代理権を与える」という「任意後見契約書」を作成するのです。

これは、公正証書で作成しなければなりません。

任意後見制度は、その「本人の意思」で、例えば長男を指定し、長男に財産管理をさせるので、それに対して裁判所は文句を言わない訳です。

ただし、任意後見監督人というお目付け役を家庭裁判所が選任します。

流れとしては、ご本人が認知症などになった場合に、任意後見人になることを引き受けた方(任意後見受任者)や親族などが、家庭裁判所に対して、その認知症になったことなどにより任意後見をスタートさせたい、だから任意後見監督人を選任して欲しい、という申し立てをします。

家庭裁判所が任意後見監督人を選任すると、そこで初めて任意後見受任者が任意後見人として仕事をスタートさせることができるようになります。

任意後見
契約書の
作成は
安い保険
リスク
ヘッジ効果
抜群

この任意後見契約書の作成には、費用がかかります。

その作成費用は、もし認知症などにならなければ、無駄になってしまいます。

しかし、法定後見人の登場を阻止できることを考えたら、生命保険に入って保険料を払う以上の安心感とリスクヘッジ効果があることを実感していただけるのではないでしょうか?

先ほどの流れのお話からもお分かりかもしれませんが、任意後見監督人に対する報酬は、任意後見がスタートしない限り発生しません。

もしもの時に発動されるのです。

それまでは、家庭裁判所とも任意後見監督人とも接することはありません。

しかし、もしもの時に任意後見人がいないのであれば、法定後見人によって財産管理をガチガチに硬くやられるしかないということになってしまいます。

3点セット
で100点
満点

公正証書遺言を作ることも大事ですが、さらにこの任意後見契約書を作成しておくことも大事なことがお分かりいただけたでしょうか?

財産、とりわけ不動産が多い場合には、その管理処分が必要な場面が生じることがありますので、その時に対応できるように、任意後見人を選任できるようにしておきましょう。

また、この任意後見契約は、認知症などになった場合に初めて使えるものです。

実は、この手前の段階もあるんですよね。

判断能力はあるんだけれど、体力が落ちてきたり、または、お体が不自由になった場合です。

そういう場合に、財産管理を代わりにやって欲しい、と思っても、この任意後見契約は使えません

意思能力があるので。

その場合には、「通常の委任契約」を締結しましょう。

そうすれば、貯金を下ろすことなども、頼むことができます

ですから、「公正証書遺言」、そして「任意後見契約」、さらには「通常の委任契約」が最強3点セットです。

まずは、公正証書遺言を作成しましょう。

遺言についてのご相談もお待ちしています。

想う相続税理士

相続税の節税を色々ミックスしてやると失敗する一例を紹介

相続税の
節税の定番
「生命
保険金」

生命保険金には、「500万円×法定相続人の数」の非課税枠があります。

この金額以内であれば、通常、生命保険金には相続税がかかりません。

相続税の
節税の定番
「一代
飛ばし」

親から子、子から孫、と財産は引き継がれていきますが、その度ごとに相続税がかかってしまいます。

だったら、「親から孫に相続させちゃえ!」ってことで、①と絡めて、生命保険金の受取人を孫にしたらどうなると思いますか?

失敗1 生命保険金の非課税枠が使えない!

孫は法定相続人ではないので、生命保険金の非課税枠は適用されず、丸々相続税がかかってしまいます

失敗2 相続税が2割増しになっちゃう!

亡くなった人から見て、親や子、配偶者以外の人が相続した場合、相続税が2割増しになります。

これ、実は「一代飛ばし」の節税防止策なんです。

相続税の
節税の定番
「生前
贈与」

相続した時に財産がなければ、相続税がかからないんだから、「生前にできるだけ財産を贈与してしまえ!」という考え方です。

でも、そんな納税者の思考回路を、税務署は、とうの昔にお見通しで、贈与した場合には、相続税よりも高い税負担の贈与税を課税して、節税にブレーキをかけます。

とは言っても、贈与すること自体は悪いことではないですから、贈与の金額が低ければ、贈与税もあまりかからないようになっています。

あまりかからないどころか、贈与税には110万円の非課税枠があるので、年間110万円以下であれば、贈与税は0円です。

ところが、ここにも税務署の網がかかっていて、

(1)相続などにより財産を取得した場合には、
(2)その亡くなった方から亡くなる前3年以内に贈与により取得した財産は、
(3)相続財産に含めて相続税を計算する
(4)もし贈与税を納めていれば、計算した相続税からその贈与税を控除する

ということになっているので、110万円以下で贈与しても、3年以内に相続が来ると、贈与税がかからなくても、相続税がかかってしまいます

ただし、上記(1)~(4)のうち、(1)に注目して欲しいんですが、相続で財産を取得していなければ、相続財産に含めなくていいんです。

「孫は相続しないから、3年以内に引っかかっても、相続税がかからない。」

そう思って、孫に贈与したらどうなると思いますか?

失敗3 生命保険金を受け取っているので、3年以内の贈与財産を相続財産に含めないとダメ!

上の(1)の要件「相続など」の「など」は「遺贈」のこと。

「遺贈」とは、読んで字の如く、遺言でもらうことをいうんですが、実は、相続人以外の人が生命保険金を受け取った場合、「遺贈により取得したものとみなす」ことになっているので、3年以内の贈与財産を、相続財産に含める必要が出てきてしまうんです。

想う相続税理士

節税を検討するなら、税理士にちゃんと相談しましょう。

毎年ちゃんと110万円の非課税枠を使ってますか?〔PART 1〕


想う相続税理士

通常の贈与の場合、「毎年110万円以内なら贈与税がかからない」って話を聞いたことある人は多いんじゃないでしょうか?

でも、それを毎年しっかりやっている人って、結構少ないんですよね。

何でもかんでも贈与した方がいいですよ、なんて言いません。

もしあなたが非上場会社の株式(自分や子供が経営しているような会社の株式)を持っているとすれば、一番いいのはその会社の株です。

会社の業績や財務状態がいいと、株価が高くなっちゃいます。

相続税も多額になりますが、だからと言って、それを換金して相続税を払うこともできないんです。

結構、厄介な財産です。

だったら、相続になる前に、長期的なスパンで、毎年、非課税枠の範囲内の贈与をしていくんです。

「会社の株は相続の時に後継社長に譲ろう」と思っても、遺言がなければ、誰が取得するかは、相続人間の遺産分割協議にユダねられちゃいます。

モメちゃうと後継社長が相続できないかもしれません。

そうなったら大変なことになります。

だったら、生前に贈与して、後継社長に間違いなく取得させておく方がいいと思いませんか?

長期のスパンでやれば、結構、贈与で渡せます。

また、次の2つの理由からも、会社の株は毎年の贈与にスゴく向いています。

1つ目の理由としては、名義書換えにお金がかからないこと。

土地を110万円相当に分筆して、毎年贈与していったら、登記費用とか諸費用がかかっちゃいます。

でも会社の株ならそういう費用はかかりません。

110万円以内で動かすためには最高で何株動かせるんだろう?っていう計算をしてもらうために、税理士に株価を計算してもらう費用はかかりますけどね。

2つ目の理由は、株価が毎年変わること。

会社の業績などにより、株価がガクンと下がった場合には、たくさんの株数を動かせます

毎年ちゃんと110万円の非課税枠を使ってますか?〔PART 2〕


先ほど、毎年110万円まで贈与税が非課税だと言いましたが、相続税がかかる場合があります。

「はっ?贈与税じゃなくて相続税?」って思われたかもしれませんが、間違いではありません。

贈与者(もらった方じゃない人)がお亡くなりになった場合、死亡日からさかのぼって3年以内に贈与した財産については、相続税が課税されるんです。

つまり、亡くなる直前の、駆け込み非課税贈与は認められないってことです。

ただし、この相続税が課税されるのは、相続や遺言で財産を取得した人だけに限定されます。

想う相続税理士

例えば、長男と次男に、お亡くなりになるまで毎年110万円ずつ(1人計330万円)贈与したとしても、次男が「俺、相続で財産いらないよ」って言ったら、長男の330万円には相続税がかかるけど、次男の330万円には相続税がかからないってことです。
まっ、長男の330万円も足した上で、正味の相続財産が相続税の非課税枠(基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数)以内であれば、相続税自体が発生しないから、長男の330万円にも相続税がかからないんですけどね!

想う相続税理士

毎年ちゃんと110万円の非課税枠を使ってますか?〔PART 3〕


先ほどお話した「毎年110万円までの贈与なら非課税」というのは、もらった人ベースです。

ですから、「長男と次男に110万円ずつ贈与しても贈与税は非課税」と書きました。

つまり、もらう人を増やせば、それだけ非課税で贈与できる金額が多くなるってことです。

1人なら110万円だけど、5人なら550万円(=110万円×5人)。

こう書くと、「じゃあ、もらう人を増やして、いろんな人に財産をあげよう!」ってお考えになるかもしれません。

それでもいいんですが、その考え方と[PART 1]の話を一緒にしちゃ絶対ダメです!

つまり、会社の株を贈与するときには、いろんな人に贈与せずに、後継社長1本でいく、ということです。

他の子供や孫などに贈与しないんです。

いろんな親族が株主だと、会社経営上、後継社長の考えが通らなくなっちゃう危険性がありますからね。

経営の大きなリスク要因になります。

そして、その子供や孫に相続が発生したら、そのまた子供やその奥さんとかに株が移転していっちゃって、例え親族だとしても、会ったこともない、どんな人間か分からない人に株が渡っていっちゃう可能性がありますからね!