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事実婚のパートナーの相続税申告

相続税専門税理士の富山です。

今回は、事実婚のパートナーがいる場合の相続税申告について、お話します。

昨日の日経新聞の記事でも触れられていました。

想う相続税理士秘書

配偶者は亡くなった方の財産形成の最大の貢献者

相続税の計算においては「配偶者の税額軽減」というモノがあり、配偶者が遺産分割や遺贈により実際に取得した財産については、その正味の財産の金額のうち、

  1. 1億6,000万円
  2. 配偶者の法定相続分相当額
のどちらか多い金額までは、相続税は課税されません。

相続税法における「配偶者」

相続税法基本通達には、この配偶者について、次のように定められています。

相続税法基本通達(一部抜粋)
19の2-2 内縁関係にある者
法第19条の2第1項に規定する配偶者は、婚姻の届出をした者に限るものとする。したがって、事実上婚姻関係と同様の事情にある者であっても婚姻の届出をしていないいわゆる内縁関係にある者は、当該配偶者には該当しないのであるから留意する。

事実婚の場合には、配偶者の税額軽減の適用を受けることはできません。

事実婚のパートナーに相続で財産を渡すには?

相続があった場合、遺言がなければ、相続人間の遺産分割協議により、遺産分けを決定します。

事実婚のパートナーは、相続人ではないので、遺産分割協議に参加することはできません。

ですから、事実婚のパートナーに相続で財産を渡すためには、遺言により渡す(遺言書を作成する)必要があります。

死亡保険金は事実婚のパートナーでも受け取れる

亡くなった方が保険料を負担していた死亡保険金は、相続税の課税対象となりますが、遺産分けの対象ではありません。

元々、保険契約において受取人が指定されていて、相続が発生すれば、その受取人に指定された方が保険金を請求し、受け取ることができます(受け取ることについて、(他の)相続人に了承してもらう必要はありません)。

事実婚のパートナーを受取人として指定することができれば(あくまでも「できれば」)、死亡保険金を事実婚のパートナーに渡すことができます。

相続税の計算においては、死亡保険金について、
500万円×法定相続人の数
の非課税枠が設けられていますが、この非課税枠を適用できるのは相続人(相続放棄した方を除く)であるため、事実婚のパートナーが受け取った死亡保険金は、丸々相続税の課税対象となります。

事実婚のパートナーの相続税は20%増し

相続税の計算においては、「相続税額の2割加算」という制度があり、財産を取得した方が、亡くなった方の一親等の血族(代襲相続人となった孫(直系卑属)を含みます。)及び配偶者以外の方である場合には、相続税が20%増しで計算されます。

想う相続税理士

相続で渡すのが難しい場合には、生前贈与の活用を検討しましょう。