相続税専門税理士ブログ

重要文化財・登録有形文化財・伝統的建造物である家屋とその敷地の相続税評価

相続税専門税理士の富山です。

今回は、相続財産の中に、文化財建造物等がある場合の評価について、お話します。

文化財建造物は法律の規制を受ける(所有者も)

足利市にも、重要文化財や登録有形文化財に指定されている建造物があり、個人所有のモノもあります。

個人所有のモノは、万が一、その所有者の方がお亡くなりになった場合には、相続税の課税対象となります。

これらのモノは、所有者だからと言って、勝手に処分したりすることはできません。

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罰則も設けられています。

文化財保護法(一部抜粋加工)
第百九十五条 重要文化財を損壊し、毀棄し、又は隠匿した者は、五年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。
2 前項に規定する者が当該重要文化財の所有者であるときは、二年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金若しくは科料に処する。

所有者も罰則の対象なのです。

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利用等にも制限があるため、その分、安く評価することができます。

文化財建造物は通常の土地建物の評価をした後に減額する

財産評価基本通達(一部抜粋加工)
24-8 文化財建造物である家屋の敷地の用に供されている宅地の評価
文化財保護法に規定する重要文化財に指定された建造物
文化財保護法に規定する登録有形文化財である建造物
文化財保護法施行令に規定する伝統的建造物
である家屋の敷地の用に供されている宅地の価額は、それが文化財建造物である家屋の敷地でないものとした場合の価額から、その価額に次表の文化財建造物の種類に応じて定める割合を乗じて計算した金額を控除した金額によって評価する。

(文化財建造物の種類・控除割合)
重要文化財・0.7
登録有形文化財・0.3
伝統的建造物・0.3

財産評価基本通達(一部抜粋)
89-2 文化財建造物である家屋の評価
文化財建造物である家屋の価額は、それが文化財建造物でないものとした場合の価額から、その価額に24-8に定める割合を乗じて計算した金額を控除した金額によって評価する。

つまり、文化財建造物等である建物およびその敷地については、相続税申告の際、

  1. 重要文化財:30%評価(70%評価減)
  2. 登録有形文化財:70%評価(30%評価減)
  3. 伝統的建造物:70%評価(30%評価減)
するということになります。

伝統的建造物とは?

伝統的建造物とはどういうモノなのでしょうか?

文化庁HP(一部抜粋加工)
昭和50年の文化財保護法の改正によって伝統的建造物群保存地区の制度が発足し、城下町、宿場町、門前町など全国各地に残る歴史的な集落・町並みの保存が図られるようになりました。市町村は、伝統的建造物群保存地区を決定し、地区内の保存事業を計画的に進めるため、保存条例に基づき保存活用計画を定めます。国は市町村からの申出を受けて、我が国にとって価値が高いと判断したものを重要伝統的建造物群保存地区に選定します。

栃木県内ですと、

栃木市嘉右衛門町
隣の群馬県内ですと、
桐生市桐生新町
中之条町六合赤岩
が、重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。

想う相続税理士

「重要文化財」「登録有形文化財」「伝統的建造物」によって、その受ける規制は異なりますので、ご注意を。