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借金棒引きも相続税の課税の対象!

想う相続税理士、富山です。

今回は、亡くなった方からの借金をチャラにしてもらった場合の、相続税の課税関係について、お話します。

財産をもらわなければ相続税は課税されない?

相続税は、原則として、亡くなった方の亡くなった時点における財産に対して課税されます。

そして、相続財産を取得した方は、その財産の取得割合に応じて、相続税を負担することになります。

ということは、財産を取得しなければ相続税は課税されない、ということになるのですが、「財産を取得したものとみなされる」ことにより、相続税が課税される場合があります。

遺言によりお金の貸し借り関係を終わりにすることができる

あなたが今、遺言を書いている方だとします。

お子さんに対してお金を貸しているけれども、「返してもらえそうにないなあ」という場合、その遺言の中で、返済を全額免除する(返さなくていいことにする)と記載することができます。

そうすると、そのお子さんは親御さんから借りていたお金を返さなくてよくなります。

この場合、そのお子さんが相続により他の財産を取得していないと、「財産をもらってないんだから、自分には相続税はかからないよな」と思われるかもしれませんが、この返済免除を受けることは、相続税の課税対象になります。

例えば、そのお子さんが親御さんから1,000万円お金を借りていたとします。

その1,000万円の借入を免除してもらうということは、手元に1,000万円のお金が入ってきたのと同じです(入ってくればそれで返済して借入金がなくなるからです)。

ということは、1,000万円の財産を相続により取得したのと、実質的には同じです。

その実質的利益に対して、相続税が課税されるのです。

お子さんが本当に借金を返せない場合には相続税の課税対象にならない

借金を免除してもらうということは、それだけ経済的な利益を享受することになるため、相続税の課税対象になる、というワケなのですが、そのお子さんが本当にお金を返すことができない、ということで、その返済できない部分を免除する場合には、相続税の課税対象に含めないことになっています。

相続税法
第8条(一部抜粋)
ただし、当該債務の免除、引受け又は弁済が次の各号のいずれかに該当する場合においては、その贈与又は遺贈により取得したものとみなされた金額のうちその債務を弁済することが困難である部分の金額については、この限りでない。
一 債務者が資力を喪失して債務を弁済することが困難である場合において、当該債務の全部又は一部の免除を受けたとき。

想う相続税理士

過去の裁決においては、債務超過であることが要件である、と示されました。
参考 請求人は、資力を喪失していないので、相続税法第8条ただし書の適用ができないとした事例国税不服審判所

そうすると、債務免除があった場合に、当該債務の免除が贈与に該当するか否かの判断は、債務者が債務免除を受けた時点において債務超過であったか否かによることが相当であると認められ、この場合、債務者の財産の価額又は債務額は、債務免除があった時の時価によるのが相当であると解される。